2023年12月22日金曜日

池田知久著『老子』

  今年は、オンラインから出張から、なんやかんやと日曜日の7割が、お仕事でした。配布資料の準備で一年を費やしたのかもしれません。来年は、もう、こんなことはしません。今後は「養心の証明」的生活として、今年の半分以下にしたいと思っています。

 少し余裕で出てきましたので、写真の『老子』をよみだしています。『老子』研究の最高峰で、よむ時間ができ、予習はしてあるのでチャレンジできそう。こういう本を読めることだけでも、至福でもあります。何しろ切り口が新鮮で、キレ味がすごいのです。 



 

2023年12月16日土曜日

大根の皮

 

 大根を煮ていたら、見事に2層に分かれました。これからみると、大根の皮は、一番外側のうす皮と、写真の白い部分の皮の、2種にわけることができます。

 割烹で皮を厚く剥くのは、写真の白い部分の皮を剥いている、ということがよくわかりました。厚く剥いた皮は、きんぴらにするそうです。

 この写真から、鍼灸医学での、衛気の層、営気の層を想像することができます。中央部分に、まだ煮えていない白い部分があります。これは筋肉のコリと同じですね。

2023年12月9日土曜日

掌蹠膿疱症

  去年の今頃は、のどが荒れて、咳き込んだり、むせたりしていましたが、今年は、そんなことはありません。

 今年は、秋から、掌蹠膿疱症になっています(12月5日写す)。どのように変化するのか、しばらく観察していましたから、治る気配が無いので、「ぬか漬けの汁を飲む」ことを始めました。

 いま考えれば、のど荒れも、足荒れも、心的ストレスによる症状と考えられます。

 講義・講演が原因です。というより、その準備作業が原因なのです。準備にはそれなりの時間がかかるので、「追われている」が、心的ストレスになっているのです。

 講義・講演も終わってますし、数も少なくなって準備に「追われる」ことも無いですが、出てきた症状は「治りにくい」のです。

 「ぬか漬けの汁を飲む」のは、心的ストレスによって腸内フローラが乱れたと考えて、それを整えるためです。果たして効果がでるか・・・

 


2023年11月27日月曜日

けやき通りの紅葉


  目の前の通りは、けやき通りといい、道路の両側はけやきが並んでいる。移ってきたときは若木でしたから、40ねん~50年という樹齢かと思います。枯れ葉の散る量が多いので、毎年、市が落ち葉になる前に枝払ってくれていましたが、今年は、来ません。市の財政が苦しいのでしょうかか。紅葉を楽しむという意味では、来なくてもいいのですが。

 正しくは、紅葉ではなく、黄葉ですが。

「黄葉、止啼銭」という仏語があります。黄色の葉を、黄金の硬貨だといって、こどもをだますこと。わかったふりして説明しても、こどもをだましているに過ぎない、という意味。

 鍼灸の学問は、この手のものが多くて、教科書をはじめ、先生方の説明も、どうも「黄葉、止啼銭」のごとし。肝は血を蔵す。他の器官も切れば血が出るから、肝だけではないでしょう。ただしくは、肝は、血をコントロールする魂というかみ様をかくまっている、という意味です。そうでないと、心は脈を蔵すとは、心に脈管が充満していることになる。

成城学園前西口から富士山

  5年ほど前に、成城の住人から、成城学園前西口から富士山が見えたけど、建物がたってしまって見えなくなった、とおそわりました。2階建ての建物なのですが。

 ずっとそう思っていましたが、11月23日の夕方、2階建ての建物の左側に、西日を背にした富士山のシルエットが、ちいさく見えました。西口改札からは見えなくなったけれど、すこし南のほうにずれると見えるのです。

 冬は、京浜東北線の荒川鉄橋のところでも、わずかに見えます。

 目の前にど~んと見えるのも良いけど、すき間からチラリと見えるのも良いものです。


2023年11月23日木曜日

津山城

  広島講義の帰りに、岡山県津山市の津山城に行ってきました。2005年に備中櫓が復元されていたので、いつか、と思っていました。

 岡山駅から津山線で各駅停車で90分。快速でも70分。日程には、余裕が必要。まして、この時期は日が沈むのがはやいから、帰りは気持ちがせわしない。

 今まであちこちの城跡に行きましたが、一番整っていて、一番立派。本丸跡なんぞは、野球場が作れるの? というほど広い。許されるのなら、石垣を上手につかってスタジアムを作ってみたい。

 津山市の人口(10万人ちょっと)は少しずつ減っているらしい、あと50年もしたら半分になるとの予測。地方の、さらに地方の、縮小ぶりは、全国同じ。この国はどうなるんでしょうね。どうにかなるんでしょうけど。

広島大学の講義

  20日(月)に広島大学医学部3回生の講義をしてきました。階段教室の、140人(弱?)の学生でした。

 顔を上げて聞いているのが1割、寝ているのが1割、残りは下を向いて静かにしていました。下を向いているのは、タブレットを見ているのか、内職しているのか。配布資料は、すべてタブレットに入っているとのこと。

 このような空気で、すこし固まりそうになりましたが、パワーポイントがあったので淡々と説明しました。パワーポイント無しだったら、アウトだったかも。鍼灸師、鍼灸学生を対象にした講義とは、まったく異風景。

 講義屋さんなら、燃える設定でしょうね。いかに寝かせないか、いかに顔を上げさせるか。

 養心的には、どんな環境にも動じない、鍛えるという意味で〇。チャレンジしたほうがよい。人とできるだけ交わらないという意味で×。はやく離れたほうがよい。

2023年11月14日火曜日

生まれ変わる

 インドで生まれる宗教は、輪廻転生という死生観の上に成立している(らしい)。6つの世界のどれかに生まれ変わるので、六道輪廻といいます。人間に生まれ変わるだけでなく、畜生に生まれ変わり、地獄に落ちるのですから、恐ろしい死生観なのです。

 秦の始皇帝は、来世で必要になる軍隊のコピーを地下宮殿に埋めました。それは発掘されて、「兵馬俑」と名づけられました。この場合、自分は、自分に生まれ変わるという死生観になります。日本で「あの子はおばあちゃんの生まれ変わりだ」ということがありますが、これは同じ血筋に生まれ変わるという死生観になります。こういう死生観であれば、恐れはありません。

 古代中国では、精神のたましいは、魂となり、天に帰り、肉体のたましいは、魄となり、地に帰ると考えていました。その魂と魄が合体すれば、生きかえることができたと考えていたようです。お盆にお迎えしているのが魂で、お墓に埋めているのが魄ということになります。

 以上の3つの死生観は、両親世代以前の死生観と思われます。

 現代は、現世主義的な死生観で、来世を考えず、現世を充実したものにすることに力点が置かれているようです。健康、長寿、幸福を強く願い、かつ古い死生観を受け継がない、というような死生観になります。

 輪廻があるのか、生まれ変わりがあるのか、生き返るのか、今世かぎりなのか、お好みの死生観を選んでください。



 



2023年11月6日月曜日

熊をぼる

 最近、クマ出没、クマに襲われるというニュースが多い。クマを撃退するクマスプレーというのがあるらしいが、クマが近寄ってこない熊忌避剤というのもあるらしい。その製品名が「熊をぼる」というもので、青森の方言で「熊を追い払う」という意味とのこと。

 そういえば、宮城の方言でも追いはらうことを「ぼう」と言いました。「犬をぼう」。しらべてみると、但馬方言(兵庫県)、横手方言(秋田県)も同じように言うらしい。してみると、方言では無くて、標準語ということになります。

 秋田県の鹿角市は岩手県境に近くクマが良く出るらしい。鹿角出身の娘さんが我が家の近くに住んでいて、お母さんが訪ねてきたときに、クマがよく出ると話してくれましたが、今年はそれどころじゃないでしょうね

2023年11月3日金曜日

優先順位ー養心のすすめ

  孔子に、道徳が、法律に優先するという話がある。父親が羊を盗んでも、子供は警察に訴えない。それは、孝行という徳を重視するからである。法律を犯しても、罪を償うことができる。しかし、子供が警察に訴えれば、親子の縁が切れてしまい、子供は孝行という徳を積むことができなくなる。

 倫理が、道徳、法律に優先することもある。女優のなんとかさんが不倫した。世の中は叩いた。法律を犯したわけではないので、てっていてきに叩いたのは、世の中の人は倫理を優先しているのである。倫理は道徳、法律より重しと。

 協調性が、道徳、倫理、法律に優先することもある。協調性が無いと仲間はずれにしてしまう。道徳、倫理、法律に背いていないのに。

 個人的には、健康を保つこと(養生)は、協調性や倫理や道徳や法律に優先すると思っている。協調性や倫理や道徳や法律のためにキュウキュウとするなら、それらから距離をおいて、心穏やかに生きることを優先すべきだと訴えたい。養心のすすめである。

2023年10月26日木曜日

日雇い

 突然、思い出したのだが、大学生のときの日雇いのことを。 

 お金がつきて底なしになったときに、その日のうちに日当をもらえると聞いて行ったのです。五反田の集合場所に行くと、ヘルメットと電車賃をもらって、指示された工事現場にいき、現場仕事をして五反田に帰ると、日当がもらえたのです。4000円か、5000円でした。何度かお世話になりました。今だったら、危ないバイトに手を出していたかも。

 あいまいな記憶によれば、船橋あたりの10数階のマンションでした。上から下へと、足場をたどってモノを降ろす作業でした。あのころは高所も恐くなかったのです。今は電車のホームのへりでも恐いのですが。

 『論語』子罕篇に「先生は聖人ではないか? なんと多能なんだろう」「わたしは、若い頃は貧乏だったので、いろんなことをした。なので多能なのである」という問答を思い出しました。そう思ってみると、貧乏も悪くないか。つぶしが効くし。

2023年10月15日日曜日

井上雅文先生

 10月14日は、井上雅文先生の命日。2007年に亡くなって。

『脈状診の研究』という難しい著書があるので、会で何度もお会いしているのに、なんとなく距離をおいてしまいました。大先生と思えば、気軽に声をかけられないし、気軽に質問もできないし、気軽に教えを請うこともできない。大先生と思わなければよかったな、とつくづく思っています。

 先日、その門下の先生の知熱灸・灸頭鍼の実技をみる機会がありました。ぼくとほぼ同じでした。振り返ってみると、井上先生の知熱灸・灸頭鍼を見る機会はありませんでしたから、ぼくのやり方は純粋に島田先生のやり方なのです。つまり、井上先生の先達と、島田先生の先達が、同一人物なのか、同系統の2名ということになります。今となっては、たどるのは難しいかも知れません。

 こういうこと、井上雅文先生に聞いておけば、なぞは判明したかも知れません。大先生と思ってしまわなければ、いろいろ聞くことができたのです。

 垣根を高くする、堀を深くする、距離をおく、みんな自分が作っているのです。こうしたやれやれなことを、できるだけなくしたいところです。

 


2023年10月11日水曜日

天回医簡 楽しみ

  中国の文物出版社から、『天回医簡』上下が出版され、55400円で購入。別のルートから、このpdfデータが回ってきましたが、現物と比べれば、味気ない。現物の重さ、質感、紙をめくるたのしみは、何物にも代えがたい。

 重さは3.3キロ、大きさはA3版(幅が少し狭い)、紙は厚手(こんなに厚くなくてもいいのに)。以前に刊行された『馬王堆医書』『張家山医書』も同じような体裁でした。

 他の人は高くて買えないというけど、こんな面白いものを、買い逃すほうが勿体ない。ひと月、飲み屋に行かない、余計なものを買わないというような工夫をすれば、買えるのに。

 それから、自分で買ったものは、愛着がうまれますから、より一層勉強しようという気になります。ぼくは、もらったPDFでは、そんな気はおきないのです。

 所属する会の蔵書から『大漢和辞典』が廃棄扱いになりました。時代は変わったんですねえ。

古典の道

  ただ就いた先生が古典の先生というだけで、古典の道を歩むことになりました。古典を読んで何がプラスになるのかはわからず、古典を読むことが面白くて、今にいたります。

 その前半は、古典を読むための学問が面白かったです。読み下しの世界から、訓詁学、音韻学というような未知の世界をのぞき込んでいたのです。

 50代に、ある学校の教務を任せられました。それ自体は楽しいのですが、古典の道からはみ出そうで、不安でした。なので、さそってくれた校長の辞任をきっかけに、止めました。そのご、他校の校長の就任要請がありましたが、ことわりました。きっと、すり減って、寿命を縮めていたと思います。

 いま振り返れば、古典の道を歩んでいるときが、いちばん楽しいようです。孔子は、修徳の道。老子は、虚無の道。色々な道があって、なかなか楽しそうです。

2023年10月2日月曜日

朝顔さく

  9月27日に、朝顔が咲きました。線路のきわには、雑草の昼顔が咲いていました。栽培でも、雑草でも、同じ時期に咲くのが、ほほえましい。まるで、自費出版のお祝いのようです。

 今日、成城に行ってきました。街の静けさは、田舎とおなじ。というか、この家の周りがそうぞうしいだけなのです。クルマ、電車、救急車、人の声。しかし、長年住んでいると、多少そうぞうしいほうが落ち着く。こういうのを、騒中の静というのでしょうか。


2023年9月27日水曜日

養心のすすめ

  本ができました。自費出版です。

 A4版で310ページです。重さは900グラムです。

 1冊2000円(送料別)です。

 ご希望のかたは、はがきに、希望冊数をかいて、申し込んで下さい。(思いの外、印刷費がかかりました)

 〒333-0802  川口市戸塚東1-1-32 宮川浩也


2023年9月24日日曜日

すり切れる

  近所のケバブ屋さん。中東の人が営業していました。年末年始も休まずに、コロナの自粛も蹴とばして、夜遅くまで営業していました。その結果、店を改装して、お客さんも多くなりました。ところが、今月に、営業を止めるという張り紙。今は、別の人が店舗を改装しています。邪推ですが、疲労がたまったのではないかと思います。

 アメリカでは、二刀流の大谷さんも、ついに故障。けろりと頑張ってきたのだけれど、体には負担になっていたよう。身体が壊れていくことは、頭で考える、体が感じる、その枠外のことのようです。なので、八分目とか、いい加減ということが、長い人生の中ではだいじな教えなのだと思います。

 というわけで、ぼくも、このあたりで、仕事量を減らして、「いい加減」にしようと思っているのです。ちょうど、長年の課題だった「養心のすすめ」もまとまったことだし。

 ところで、読者に無料でプレゼントと宣言しましたが、思いのほか印刷費がかかりましたので、残念ながら、有料になります。刷り上がったら、案内します。

2023年9月21日木曜日

すり足

  相撲の基本はすり足。なので、お相撲さんの足は、アヒルのよう。どんな態勢になろうとも、土俵から足を離さないのが理想。昔で言えば、千代の富士で、いまでは若元春である。はまったら強くなりそう。

 悪いのは、踵を挙げて押すこと。バタバタとした足運びになり、強くは押せない。つま先立ちするので、とっさの変化がある。典型的なのが正代。身体が大きいから、すり足を覚えたら強くなるのに。でも、クセは治らない。

 はたくクセ、引くクセがあるお相撲さんは、苦しくなるとそのクセが出て、たいていは負けてしまう。相手は、クセが出るのを待っているんだから。

 いまはビデオがあるから、研究しやすくなっています。鍼灸のオンライン講座も、アーカイブがあるから、熱心な人は、どんどん上手くなるんだろうね。


2023年9月19日火曜日

ひつまぶし

  9月18日は、名古屋講演。

 ご飯は、ひつまぶしを食べました。紀州備長炭使用とのこと。カウンターの先で焼いているのが見えました。おどろいたことに、炭をあおぐのに、団扇でなくて、ドライヤーでした。バタバタあおぐのしか知らないから、目が点。

 10年ほど前、浅草の色川という鰻屋さんのことを思い出しました。大将が使っている団扇がボロボロなので聞いてみると、いまはいい団扇がないのだそう。日本にないから、台湾のもので、貴重だから大事に使っているとのこと。

 しかし、今、鰻屋で焼いているのをみると、団扇でパタパタやっているから、色川の大将がいうのは、「俺のメガネに適う団扇がない」ということなのでしょう。職人らしい。

 さて、ドライヤーは、団扇が無くなったからなのか、合理的になったからなのか。

 鍼だって、昔は手作りでしたが、いまは工場生産の、それもディスポですから、だいぶ変わりました。40年くらい前のはなしですが、師匠のところでは、仕事の最後は、鍼をなめし皮でしごいていました。他の先生のところは、鍼先を研いでいたとのこと。いまや、懐かしい作業です。

2023年9月13日水曜日

養心のすすめ

 医道の日本に連載していた「鍼灸師のしごとをみなおす」が終わって、すぐに同誌は休刊になりました。はや3年がたちました。その連載を材料に「養心のすすめ」を書いていました。それが、目鼻がつき、もうすぐ完成です。とりあえず自費出版しようと思っています。

本ブログの読者には無料進呈のよてい。ちょっとお待ち下さい。

ようやく終わって(終わりそうで)、あたまのモヤモヤが無くなって、すっきりしています。連載からはじめて、6年も、モヤモヤしていたんですから。

2023年9月7日木曜日

出石(兵庫県豊岡市)

 

 出石藩6万石の城下町を、有子山から撮影したものです。右手の森の中に、沢庵宗彭が修行した宗鏡寺があります。小振りの、昔ながらの町です。田舎といっても、観光地になっていますから、うんと寂れたような感じはありません。

 有子山には、城址があり、本丸の石垣だけ残っています。講演の帰りに寄ったので、なんとくろい革靴で登ったのです。コロナ前に行きました。町のお祭りだったらしく、各小学校の鼓笛隊が練り歩いていました。ほほえましい。

 

2023年9月4日月曜日

秋月城2

 ユーチューブで、秋月城をみると、桜の時期は、人が一杯のようです。桜の馬場という一本みちの両側のふるびた桜の木が、豪華絢爛ではない、しぶい花見になるのです。

 紅葉のみどころでいえば、天目山の中峰明本に学んだ留学僧が持ち帰ったもみじのタネは、開創したお寺の境内にまかれました。いまは咲き誇り、観光地になっています。

 前に谷野一栢の研究の時に、一栢が立ち寄ったかもしれないと思い、全部いってみました。紅葉の時期ではないのですが。いつか、紅葉の時期に行ってみたいと思います。

 そのお寺の名称・開山の僧侶・所在。

 永源寺:寂室元光。滋賀県

 法雲寺:復庵宗己。茨城県。

 楞厳寺:?。茨城県。

 栖雲寺:業海本浄。山梨県。

 吉祥寺:夢庵正覚。群馬県。

 願勝寺:古先印元。兵庫県。

 高源寺:遠雄祖溪。兵庫県。


2023年8月31日木曜日

秋月城

 佐賀の講演のついでにと、秋月城によってきました。

 安西水丸著『小さな城下町』に紹介されていましたので、いつか行こうと思っていました。(人の奨めには、弱いのです。)

 ネットで動画をみたり、地図で予習はしていったのですが、実際とはだいぶ差がありました。行ってみて良かった。たとえば、桜並木の、さくらの香りは、このあたりのとはだいぶ違います。あと、湿気、空気の重たさ、こういうのも、実際に行かねばわからないこと。

 時間に余裕があれば、一日中、歩いてみたい。今は田んぼになっているけど、当時はお屋敷だったようで、そんな風景をイメージしながら。

2023年8月30日水曜日

「こころに劇的、漢方薬」

 27日に、佐賀で講演してきました。時間に余裕をもたせたので、本棚から、益田総子著「こころに劇的、漢方薬」(同時代社、1999年)をとりだしもって行きました。20年ほど前にかった本ですが、いちども読まずにいました。ちかごろ「こころ」に興味を持ちだしましたので、ナイスなタイミングでした。

 心身症の症例を、小説風にしたててありますので、とても読みやすく、読み終えることができました。漢方薬を処方していますから、鍼灸に応用しにくいのですが、ヒントにはなります。心因-症状の関係ではなく、心因-体の歪み-症状ということにすれば、体の歪みをターゲットにした漢方治療ができるのです。症例では、体の歪み用の漢方と、症状用の漢方・洋薬を使いこなしています。

 鍼灸も同じようにできれば、心身症にも対応できるのでは、と一筋の光明がみえてきました。

 本書のような鍼灸書もほしいところですが、書き手はいないでしょうね。臨床家は多いのですが、普及家、政治家、教育家など、多方面にわたる人材がいないと、広がらないですねえ。

2023年8月25日金曜日

遠藤次郎先生亡くなる

 22日に、元理科大教授の遠藤次郎先生が亡くなった。80歳とのこと。去年の8月の北里の研究会でお会いしたときは、元気そうでした。今年の1月にお会いしたときも元気そうだった、という人もいます。

 昨年から今年にかけて、知人が、相次いで他界しました。平均すれば、70歳で、古来希なりといわれる年齢ですから、ほど良いのかもしれません。

2023年8月17日木曜日

沢庵宗彭

  9月23日(祝)に、はじめての東洋医学歴史講座を受け持つことになり(60分)、沢庵宗彭を取り上げるため、ここ数日、部屋にこもっています。これから、講義・講演が毎週つづき、9連戦となります。夏休みは、その準備で無くなるのです。

 夏休みといえば、高校野球。むかしは、東北の出場校は、1回戦、2回戦で、姿を消していましたが、近頃は、場合によっては決勝まですすむので、たのしみです。今日も、仙台育英が、履正社に勝ちました。大阪の高校は強豪だから、昔なら大差で負けていたのです。

 子どもが小学生のときは、毎日、プールにつれていきました。子どもと一緒に、まっくろになっていました。

 沢庵宗彭は、禅僧ですが、医学の心得もあり、医の大家とも交流し、打鍼の御薗意斎の弟子でもあるし、鍼家とも交流しています。身分を問わず、仕事を問わず、交流できる人ですから、心がとても広いのです。そんな人を紹介できるのですから、ありがたい機会なのです。

2023年8月12日土曜日

晩景・晩方

 和田東郭『蕉窓雑話』を読んでいたら、「今、晩景より甚(はなはだ)容子あしく」という文章があり、子供のころの方言で夕がたを「ばんげ」と言ったことを思い出しました。漢字に当てれば「晩景」になるのかも。「晩方」(ばんかた)とも言っていました。

 ちなみに、日が暮れてからのあいさつ「お晩でがす」といいます。ついでに、さようならは「お明日」(おみょうにち)(女子ことば)といいます。

「朝餉」(あさげ)に対して、夕方の食事を「晩餉」(ばんげ)ともいうらしい。

 言葉によっては、京都と宮城はおなじものがあるようです。



2023年8月10日木曜日

三国町暑い

  福井県坂井市の三国町で、8月9日、39・7度を観測したという。海岸の町なのに、暑いのです。行ったことがある町なので、驚いています。

 福井駅から、えちぜん鉄道にのって、終点。谷野一栢が書いたと言われる「天の図」を所蔵している瀧谷寺を訪れたことがあります。たぶん、その前年に、多賀大社での講演で「瀧谷寺」を「りゅうこくじ」と読んだら、武田時昌先生から「たきたんじ」と読むのだと指摘されて、字面を追った学問はイケない、現場に行かねばという思いが強まったのです。

 以前に「谷野一栢の研究」を取り上げましたが、福井県のあちこちには、取材でだいぶ行きました。研究者でもないのに、研究者のまねごとをして、だいぶ道楽しました。

2023年8月7日月曜日

豊岡市

  兵庫県の豊岡市は、5日に、39.4度を記録した、とニュースで流れました。大阪での講演のあとによく行きました。尊敬する沢庵宗彭の生地で、旧町名は但馬町です。合併しておおきな豊岡市になりました。但馬町は、列車の便はなく、豊岡市からバスでいきました。

 途中、円山川を通りますが、2003年の台風で堤防が決壊したところです。冬季は積雪も多く、夏期も暑いようで、意外にも、四季を通じて、自然災害が多いところです。

 たぶん3回、あるいは4回は行っていると思います。今年あたり、隙をみて、行こうと思っています。


2023年8月1日火曜日

山田方谷

  23日の広島での講座の前に、備中高梁を観光しました。

 街の売りは山田方谷という漢学者で、大河ドラマ化を望んでいるようです。山田方谷記念館もあって、やるきは満々のよう。記念館は、方谷の子孫が館長を務めています。

 しかし、人口減も著しく、岡山県の自治体では、ワースト3だそうです。

 山田方谷の元には、二松学舎大学をつくった三島中洲も学んでいます。長岡藩の河井継之助もはるばる学びにきたそうです。二松学舎大学と連繋して、儒学シンポ、儒学合宿などやったら面白そう。お城に泊まれたら、なお結構。

 あまり暑かったので、備中高梁城には、登りませんでした。盆地だから、暑いのだそう。広島も暑かったし、日本中どこいっても暑い。


2023年7月24日月曜日

建前

  漫画を読んでいたら、宮崎県では、上棟式を「せんぐまき」「もちまき」「むねあげ」「たてかた」というらしい。古里の宮城県では「建前(たてまえ)」と言っていました。漫画と同じように、餅や硬貨を撒き、集まったご近所さんがワイワイしながら拾います。全国どこでもやっていたんですね。 

 今から50年前ですが、実家のときも同じようにしました。家を建てる前に「地鎮祭」、骨組みができあがったら「建前」、家が完成すれば、ご近所さんを招いて「新宅ふるまい」をしました。

 屋根の上から、餅をまき、小銭をまいて、地域のみんなとお祝いする、ほのぼのとした風習でした。



 

 


 

2023年7月14日金曜日

百姓を以て、芻狗と為す

 『老子』第五章に「百姓を以て、芻狗と為す」とあり、理想的な人物は社会の人びとを「藁犬」と見なしたという意味だが、藁犬のようにぞんざいに扱ったのではなく、好き嫌いもなく、余計な感情を入れ込まないことを言っています。

 飼い犬なら、カワイイ、愛しい、いろいろ感情を込めてしまい、亡くなれば、ロス(悲壮感)にさいなまれる。その点、藁犬ならば、感情はこめず、ロスも無い。

 レイチェルさんという人が亡くなった。『老子』のこの文章を知っていたら、助かったのではないかと思う。社会と一定の距離をとる、世間に近づかない、こういうことも「藁犬的」ではないでしょうか。

 


4つの診療科

  日本の鍼灸は、総合診療科的だと、思います。整形外科のみならず、内科も、婦人科も、小児科も、心療内科も。大抵の先生方は、何となく対処しているでしょうが、それは大事なことですが、反面おそろしいことでもあります。それぞれの技術・知識をきちんと獲得し、きちんと対応すべきだと思います。

 内科的といえば、五蔵を中心とした治療。外科的では、九鍼を用いた治療。整形外科的では、鍼灸、マッサージを組み合わせた治療。心療内科的には、いやしの治療。というように。

 五蔵を中心とした治療は、脈診、腹診、舌診ができなければなりません。きちんと学問をし、きちんと練習する人に向いています。

 九鍼の治療は、病邪がどこに、どの深さで、どのような質を持っているか、洞察できなければなりません。敵の弱点を探ることに近いので、スポーツ経験者に向いています。

 整形外科的な治療は、触診に長じていなければなりませんが、脈診も、腹診も、洞察も、あえては要らないので、どちらかといえば簡便で、日本ではよく行われています。

 心療内科の治療は、精神的要素が絡みますので、心の事をよく学んだ人しか対応はできません。適当に学んだような治療者は、ちょっと恐い。

 このように、鍼灸治療は、なんでも対応できそうですが、実際は、向き・不向きがあるのです。

2023年7月8日土曜日

大器晩成

「大器晩成」は、『老子』六十一章のことば。沢庵宗彭の『老子講話』から。

 「大器晩成、小さき器は早く成就すれども大器は一寸は出来ぬなり。人も之れに同じ。大器量者は弱輩より小利好にはなき者なり。又大功の成就するもそれなり自然と遅く成就したるはよし。早きは兎角にしまり悪き者なり。」

 小さな器は、簡単にできるが、大きな器は、なかなかできない。

 人間も同じで、小さな人物が小成功をおさめるのは早く、大きな人物が大成功をおさめるのは遅い。

「小利好」ものは、小さな人物にはなれるが、大きな人物にはなれない。という但し書きが効いている。「小利好」は「小利口」とも書き、小賢しく、自分に都合が良い(利)を考えること。

 道遠しというより、道を外れていることに気が付くこのごろでした。



くびのしわ

 『温灸読本』では、腹部のシワを写真で紹介したが、じつは首のシワも気に成っているところ。

 下を向けば、首の前にシワがより、あごが上がれば、首の後ろにシワがよる。そのシワの深さで、首の異常の深刻さがわかります。

 問題は、首の側面にシワがあるときで、片方ならば首が傾いているのですが、両方ある場合は・・・個人的な感想ですが、怒りで肩が持ち上がっているか、恐怖で首がすくんでいるかの、どちらかのようです。心身症を予想する、ひとつの手掛かりにしています。

 若い人に、スマホのせいか、首の前にシワがあるひとが多いようです。側面にもある人も、ときおり見かけます。

 若い時はシワは善でも悪でもないので、シワがあっても気にならないようですが、いずれ気になるのですから、気を付けたほうがいいと思います。中年以降はシワが悪になるようで、シワを気にするようになります。

 中国古代には、天文、気象、地理が大いに発展していました。その基本は、徹底的な観察です。中国医学の基本も、観察なのです。

2023年6月29日木曜日

『上海三十年』

  医学部講義で、ありきたりの話をしたって、話す方も面白くないから、切り口をかえてみようかと思案中。

 そこで、小竹文夫著『上海三十年』を再度読み始める。とはいえ、62ページなので、すぐ読み終える。戦後まもなくの出版物で、紙はわら半紙で、装丁も貧弱。辛うじて、文庫本の体裁を保っている。

 中身は肌で感じた中国人論。既成の本をなぞって作り上げた中国人論とは、別格の重みがある。

 古代の中国人が、生薬・経絡・経穴を発見した、その経緯をたずねてみようと思ったのです。

 漢方の大元は生薬で、今では合理的な説明ができるから、現代の医療に取り入れられている。しかし、鍼灸の大元の経絡・経穴は、合理的な説明ができないから、現代の医療に取り入れられていない。なにしろ、専門家である鍼灸師でさえ、経絡・経穴を、きちんと説明できないわけだから、なお深刻である。

 経絡・経穴は、どういう端緒で見つけ出され、どのような経緯をたどって学問になったのか。その当たりを、中国人の特性から、さらってみようと思ったのです。


 

 経絡・経穴を発見した、古代中国人のことを

2023年6月21日水曜日

RSウィルス

  ここ10年以上も風邪を引いていないのに、先週火曜日に風邪をひきました。孫が風邪を引いていたので、それを貰ったようです。土曜日までに9割方なおっていたのですが、日曜日に6時間の講義があったので、ノドを酷使し、月曜に再発。

 夜は咳き込むし、昼も咳き込むし。それが、今日(水曜)時点で大分治まってきました。次の日曜日も、2時間の講義があるので、間に合うかとおもいます。

 コロナの時期なら、隔離されていたかも。それがないだけ、ましかも。

2023年6月17日土曜日

医学部講義

  今年の11月に、広島大学医学部の学部生に、1コマ講義することになりました。東洋医学の歴史を話してくれと(何年生かはまだ聞いていない)。

 かつて、鍼灸学校の3年分は、医学部生は1か月で終える、と聞いたことがあります。

 専門学校生だって、1日2コマで3年を、1日6コマであれば1年で済みます。その1年を1か月で終えることができるようです。我が家の長男はドイツの医師免許を持っていますが、日本の医師免許を取るために帰省して勉強していました。が~っと集中して勉強していましたから、集中力が違うのでしょうか。写真は、今も残っている過去の問題の解説本ですが、1冊あたり1500ページ。写真全部なら10000ページになるでしょう。

 さて、こういうのを乗り越えられる学生に、何を話そうか。おそらく、始めてで、最後のチャレンジになるでしょう。




2023年6月5日月曜日

台風一過

 先週の台風の影響で、関東にも線状降水帯が発生し、埼玉県も大雨でした。

 家の前は、武蔵野線をくぐるアンダーパスになっていて、やや低くなっている。ここに住んで以来、薬局部分だけ、なんどか床上浸水を起している。

 この春に、線路の向こう側に、水を逃がす地下パイプを敷設する工事が終わりました。これで一安心と思ったら、同じように床上浸水しました。早い段階で地下パイプが埋まってしまったらしい。見掛け倒し。期待外れでした。

 おおむね人工のものは、予想外、想定外に弱いものです。人工をあてにしないで、自然には勝てないのですから、低い土地に住むなりの覚悟、山ぎわに住むなりの覚悟、河ぞいに住むなりの覚悟だけでいいのかもしれません。

2023年6月1日木曜日

故郷の人工減

 日本は観光立国を目指すといい、有名な神社仏閣を持っている県は観光立県を目指しています。同じような言い方をすれば、ふるさとの松島町は観光立町です。日曜日には人と車でごった返しています。

 観光立町だから、町の人口は安泰だと思っていたら、1985年(17568人)をピークに、2023年(13244人)へと、順調に下っているよう。あと20年もすると1万人を切るといわれています。

 はたらき口があるとしても、買い物するショッピングセンターが無いので、不便なのだそうです。それで、若者が住み着かない、子供が少ない、ということだそうです。いやはや。


2023年5月28日日曜日

そろばん塾

 昨日は、先輩鍼灸師のお通夜のために帰省しました。帰る途中、そろばん塾のかんばんを見つけました。小学校5年生のときに通った塾です。1年間行って3級までいって、あきて辞めてしまいましたが。その時のままの看板なのでしょうね。半世紀以上も前のです。

 自分が住む地区には無いので、となりの地区まで歩いて通いました。昨日も同じような道をたどって、お通夜の会場に行きました。

 

2023年5月24日水曜日

ロングスプーン

 

 子供のころ。つまり60年ほど前。スプーン(むかしはサジと言っていた)は珍しいもので、さらにフォークは珍しいものでした。右の写真は、カルピスのおまけのロングスプーン。下は、カニフォーク。箸しかなかったので、新しいものは、なんでも欲しかったのでしょう。

 50年ほど前では、ウイスキーグラスは、ウイスキーを買うとおまけでついてきましたし、ビールを買ってもビールジョッキがおまけでしたし、ひといきにどうぞと灰皿までついてきました。かくして、家の中に、もらいものの新しい食器が増えていったのです。

 新しいものに飛びつく。飛びついたものは捨てない。日本人の習性かと思います。なんと、カニフォークは一度も使ったことがないのに、鎮座しているのです。

2023年5月12日金曜日

自家製乳酸菌飲料

  3月ごろ、はじめて花粉症になりました。早速、自分で、あちこちに鍼を刺してみましたが、あまり効果出ず。

 つぎに、かねてより考えていた「ぬか漬けの汁を飲んだらどうなる」を実験してみました。

 ぬか漬けの汁は、今までは捨てていたのですが、乳酸菌が生きているからもったいないと思っていました。汁は、30ccくらい。飲んでみたら、意外に美味しい。意外に美味しいだけでなく、すぐ効果がでて、鼻水がピタッと止まりました。

 「腸内細菌叢が乱れるとアレルギーになる」という説は、正しい。下手な鍼治療を受けるより、はるかにまし。どうも、出来合いのものが続くと、鼻水が出るようです。

 ぬか漬けをしていない、ぬか漬けが嫌い、というときは、どうする。というのが課題です。


ラーメン屋とじる

  週に2回以上、電車に乗ります。駅に向かうまで、ラーメン屋が3軒あります。何気に客の入りを見ていますが、何となく少なくなっている気がします。

 線路の反対側にも、ラーメン屋が3軒あります。今日、久しぶりに通ったら、2軒が店を閉じていました。何となくが、やっぱりに変りました。

 お客さんが少ないからなのか、材料費が高くなったからなのか、値上げしたからなのか。どのような理由なのかわかりませんが、潮目が変わってきているような気がします。節約ムードなのでしょうか?

 

2023年5月5日金曜日

心の治癒力

 

 ここ数年、あるいは10年くらいかもしれないが、心身症で来院する人が、すこしずつ増えています。勉強不足で、気が付かなかったかもしれませんから、もっと前から来院していたかもしれません。

 10数年前に買った本で、本箱から出して読んでみると、とても参考になったのが、右の奥付の本で、『心の治癒力をうまく引きだす』という本です。

 これを読むと、心身症と思われる人に対する心構えができて、穏やかに対処できます。読んでいないときは、どのように答えていいのやら、何を聞きだせばいいのやら、不安でした。心身症にとっては、こちらの不安は、悪材料になるのです。

 買ったとき役に立たないと言い、10年後に役立つと言うのですから、自分の価値観というのは、じつに頼りないものです。

 

2023年5月3日水曜日

稲井石

 奥州一之宮の塩竃神社には、3本の参道があります。

 1つ目は古道で、道は整備されていませんし、通る人もいません。

 2つ目は、写真の参道で、宮城県石巻産の稲井石が敷き詰められています。よくみると、ただの長方形を組み合わせているのではなく、元の形を生かしながら、ちょうど良いカップルをみつけて、組み合わせているようにみえました。それが右の写真です。曖昧な記憶ですが、松島の瑞巌寺にも敷き詰められたいると思います。

 3つ目は、200段の階段の参道です。たいていの人は、この参道を利用します。御神輿が通るのもこの階段です。

 塩釜神社のかみさまに、塩土翁(しおつちのおきな)がいます。海の神様ですが、博識の神様であります。お灸の本に『灸焫塩土伝』(きゅうぜつ・しおつちのつたえ)というものがあります。日本に伝わる灸法が保存されています。意外なところでつながるものです。


 

居間に・・

 

 2回の床と柱の隙間から枝が伸びています。切るにしのびなく、そのままにしておいたら、だいぶ成長しました。

 道路側のモッコウバラの枝です。すき間から建物にはいり、すき間から部屋の中に出てきたのです。

 現在のモッコウバラは花期がおわり、道路にぱらぱらと落ちています。サクラと同様、はやめに咲きました。

 さて、この枝を、どのタイミングで切るか・・

2023年4月24日月曜日

おごご

  塩漬け・味噌漬けの野菜を「香の物」といい、女房言葉で重ねて「香香」といい、それが短縮されて「こうこ」といい、それに「お」をつけて「おこうこ」という。それを仙台弁では「おごご」という。大根漬けのことを言い、白菜漬け、茄子漬では言わなかったかも。

 知人から、大阪の黒門市場で売っている、日野菜づけをいただだきました。甘いぬか漬けです。日野菜大根の漬物です。こちらではお目にかかれない大根です。

 仙台方面では、大根、白菜、茄子の塩漬け・ぬか漬けぐらいで、味噌を作っているひとは味噌漬け。関西には、柴漬け、奈良漬け、千枚漬け、すぐきなど、たくさんの種類があって、おどろくばかりです。

2023年4月17日月曜日

鳩 孵化する

  この前、卵を抱いている鳩を報告しましたが、今朝、殻が落ちていました。

 無事、孵化したようです。邪魔だから、巣の外に、蹴り出したのでしょう。

 植木屋さんによれば、2羽いるそうです。

 かくして、鳩の実家として、受け継がれていくのでしょう。


2023年4月10日月曜日

もっこうばら


 今年も、もっこうばらが咲きました。3分咲きくらいでしょうか。今回は、夜景としてとってみました。よい香りがただよっています。

ざるスキー

 

 我が家には、竹製のざるが5つ、ステンレス製が4ち、それに竹製のすいのうが1つ、ステンレス製のすいのうが1つ。

 数えてみたら、こんなにありました。それぞれまあまあ使っていますから、余り物ではないのです。

 大きなのは、洗った食器の水切り用。その他は、ゆでたもの・ふかしたもの用。

 ステンレス製のは、お米用。という具合に、使うのです。



2023年4月9日日曜日

選挙はたのしい

  選挙が始まりました。電車に乗ろうと駅に向かえば、電車からおりて駅を出れば、演説と支援者が頑張っています。うるさいと思えばうるさいけど、楽しいと思えば楽しいのです。ぼくは、誰にも手を振ってあげますし、ビラももらってあげます。手を振ると喜んでくれますし、ビラをもらっても喜んでくれます。みんな喜ぶから、おもしろいのです。候補者が追いかけてきて「よろしくお願いします」と声をかけられたこともあります。川口じゃなくてもどこでもやるのです。

 仲間に市会議員がいて、ビラ配りを手伝ったことがありますから、ビラをもらってくれる人は神様なのです。そんなわけで、手を振って、ビラをもらってあげます。政党なんか問いません。ビラ配りのコツは、立ったまま渡せば誰ももらってくれないから、並んであるいて「ぜひ読んでください」と声掛けしながら渡せばみんな持って行ってくれますよ。

 まあ、立候補するのは面白くないけど、応援するのは楽しいのです。

2023年4月5日水曜日

きじばと

 我が家のモッコウバラに、キジバトが営巣しています。(写真の真ん中)

 毎年、同じ場所に営巣しているので、同じ母親が営巣しているのか、その母親から生まれた子供が営巣しているのか、わかりませんが、もし後者だとすれば、ここが実家ということになります。鮭が生まれた川に戻るように、本能なのかも知れません。

 営巣している鳩は、ちょっと近づいただけでは逃げません。突っつかれたりして、身に危険がおよばないかぎり、巣から「離れないぞ」という強い意志を、じっとこちらを見ている目から感じます。

 

2023年3月27日月曜日

大観荘

 3月26日、松島大観荘で、「八木下勝之助の人物像・治療」と題して講演してきました。参加者は200名くらいでしょうか。大変ながめの良いjホテルで、主催者の心意気が込められいます。こうして大勢の方が集まるのは、数年ぶりではないでしょうか。直接にご挨拶ができるのはなによりです。生存を喜び、健勝を喜びといったところでしょうか。小田原の大先生も、福岡の大先生も、ご夫人同伴で参加なさっていました。両夫人には、2007年の札幌の学術大会にお会いしていますから、実に16年ぶりでした。中堅どころの先生方ともお話できて、実に有意義な経験をいたしました。

 前日に、雄島を散策しました。奥の細道に「雄島が磯は地つづきて海に出でたる島なり」という書き出しで紹介される霊場です。20年間、この小さな島を出ないで修行した僧もいたといいます。中学生以来ですから、実に50年ぶりです。小学生の時は、遊び場でした。

 

2023年3月24日金曜日

沼田

  

 今住んでいるのは、昔は腰までつかる泥田で、それを埋め立てて、住宅地にしているところです。

 右の写真が、まさにその泥田です。池の水を抜くというテレビ番組があり、腰までつかると動けないらしいですが、写真の女性は、にこにこしながら、田植えしています。

 水を抜けば、水がなくなる田んぼを乾田といい、水を抜いても水が残るのを湿田というらしい。湿田のことを、泥田といい、沼田というのではないでしょうか。

 背丈以上も埋まる田んぼでは、足にかんじきのようなものを付けるとのこと。

 辛気なのに、ニコッとしている農家さん。印象的でした。


2023年3月21日火曜日

お辞儀

  ご挨拶をするときに、上半身を折り曲げる礼をお辞儀といいます。最敬礼、敬礼、会釈とあります。

 天皇陛下は、神様の前では、オーバーに言えば、腰を直角に曲げて最敬礼し、人に対しては会釈する。この2種類のお辞儀しかないようです。むやみやたらに、お辞儀しないのでしょう。その会釈は、ちょっとあごを引くだけで、頭も、上半身も傾けないようです。あまりペコペコするようじゃ、重々しさが無いですから。

 その会釈をマスターしようと思い、だいぶ前から、道をゆずる、席をゆずる、配り物はもらうという行動をしています。そのとき感謝の表情をあらわしますので、そこでちょっとあごをひいて会釈します。こうしたこざかしいことで、あごをひく会釈を自然にできるようになりました。

 配り物とは、テッシュだったり、美容院のチラシだったり、コンタクト屋さんのチラシだったり、もらってあげると感謝されます。


間中喜雄揮毫

 右の「岡部素道」は、間中喜雄先生の揮毫である。書風は、白隠禅師の影響を受けている。画風もそうである。余程、傾倒していたものと思われます。

 医道の日本社主催の間中賞は、間中先生の色紙が副賞です。この賞は、今はありません。白隠禅師の影響だと知らないそのころは、駄作だと思っていますが、今となっては妙作ということができます。

 この本は、岡部先生の「折々の記」(その二)と、岡部先生追悼文集である。風格のある体裁で、もう、このような本は出版されないでしょう。

 書名は『岡部素道先生追悼』というもので、非売品です。古書市場にはときおり出回ります。

2023年3月18日土曜日

東福寺展

 

 東京国立博物館の東福寺展に行ってきました。

 この手は約2メートル。元は15メートルの釈迦如来坐像のもので、本体は火事で焼失しましたが、手だけ残ったというものです。圧倒的な大きさで、今回の展示物の中でピカ一でした。

 よくみると、親指のところに水かきがあります。他のゆびにもあるのですが、如来さまには、おおくの人を救うという意味をこめて水かきがあるそうです。

 生命線は短く、中国式の手相学の影響をうけていないようです。

 写真でもわかりますが、圧倒感は現物をみないとね。

2023年3月15日水曜日

天回医簡とどく

  中国医学古典の最古と思われるのが『内経』。今に伝えられていますので「伝存文献」といいます。時間の推移とともに、誰かしらの思い入れが介入して、ゆがめられている可能性があります。

 それに対して、古い時代の陵墓などから出てくるのを「出土文献」といいます。素のままの文献ですから、ゆがめられを怪しむことなく読むことができます。

 写真は、馬王堆医書、張家山医書に次ぐ、天回医書の写真・翻字です。全貌を見ることができるのは、これが最初です。A3版より少し小さいぐらいで、圧倒的な風貌をしています。

 『内経』より古いものです。丸山先生も島田先生も見ることができない資料が、目の前にあるのです。めくるのが楽しみです。



陳建一さん死去

  昨日、中国料理の陳建一さんが亡くなった。昭和31年生まれなので、同じ年齢。早生まれだから、学年は一つ上。料理の鉄人というテレビ番組で有名になる。息子さんの建太郎が後を継いで、ときおりテレビでみかけます。

 50年前では、高校行かなければ、就職するか、専門学校に行き、美容師、理容師、調理師になるのが道でした。鍼灸師も同じかもしれません。鍼灸学校の中に、高卒の資格をとるコースもあったようです。つまりは、仕事としては、下のほうに思われていたのです。手に職をつけるといって、頭は要らないと思われていたのでしょう。

 今では、調理師や美容師は、世間の評価は高くなっていますが、鍼灸師はさほど高くなっていません。テレビの影響で、調理に知性が、美容に美的センスが必要であることが明らかになったためかも知れません。NHKで、なんどか鍼灸をとりあげてくれているようですが、一石を投じても波が立たないのは、なにがどうなっているのでしょうか。

2023年3月10日金曜日

ごっしゃぐ・まで・ふだ

  ふと「ごっしゃぐ」という方言が、浮かんできました。怒ることです。怒られることは「ごしゃがれる」といいます。父方の祖父は、みる毎に「くさま~」(貴様)といって怒っていました。語源はわかりません。

 ついでに「まで」を思い出しました。丁寧なことです。「ま丁寧」の略だとおもいます。「までに塗る」「までに作る」と使います。

 ついでに「ふだ」まで思い出しました。多いことです。「ふんだん」の略だと思います。「髪の毛がふだ」と使います。

2023年2月27日月曜日

別府のすずり

  大分で経絡学会(もしくは伝統鍼灸学会)があったとき、もしくは首藤伝明先生の塾で特別講師をしたとき、宿泊先の別府亀の井ホテルの近くを歩いていたら、硯屋さんをはっけん。その時に買ったすずりです。未使用元箱入り。

 製造元は大塚磊々堂で、製作者は大塚真彰とのこと。㏋で調べてみると、今は娘さんが3代目で店をやっているよう。祖父が作ったすずりを売っているとのこと。

 父親は、筆字が上手でした。誰にも習っていないのに。年賀状は、筆字で、時には賞状書きもしていました。それを見ていたせいかも知れませんが、筆、すずり、墨に、何となく惹かれるのです。

 



2023年2月22日水曜日

八木下勝之助

来月の3月26日(日)に、第37回経絡治療学会学術大会東北大会の特別講演で「八木下勝之助の人物・治療」を発表することになりました。大会会頭の樋口秀吉先生の計らいで、故郷での発表となりました。

樋口先生は、宮城県鍼灸師会会長、経絡治療学会副会長などをつとめた、東北の雄です。同じ松島町出身で、3歳年上です。酒はのむ、たばこはふかす、昭和の硬派です。

写真は、八木下勝之助です。70歳代と思われます。

亡くなるとき「柳谷さんはまだか、柳谷さんに会いたい」と言ってたそうです。50歳も年がはなれているのです。おもうに、柳谷素霊はとてつもなく大きな人物である。





2023年2月20日月曜日

トライアンフ スピットファイアー

先日、王子駅前で、トライアンフ スピットファイアー(1140cc)をみました。

珍しい車だったのでオーナーさんに声かけし、メーカー・車名を教わりました。60年前のくるまだそうです。

北区といっても、東京。いろんなくるまがいます。特に、日曜日は、高い頻度でみることができるので、懐かしいやら、珍しいやらで、とても楽しい。



 

2023年2月16日木曜日

趨(こばしる)

 『霊枢』天年篇に、十歳は好く走る、二十歳は好く趨る、三十歳は好く歩く、とある。これによれば、運動能力のピークは10代で、その後、だんだん落ちていることになります。

 十歳より前は、はいはいする、立って歩く、小走りする、そして走る。こうした成長を巻き戻しているのが老化なのでしょう。

 歩いていれば、老化防止になりそうですが、小走りのほうが益がありそうなので、小走り健康法を実践しています。ランニングでも、ジョギングでもなくて、日常のいつでも、どこでも、ちょこちょこ小走りするのです。10メートル、20メートルくらいです。駅の階段は、急いでいる風で、駆け上がり、駆け下りるのです。

 歩くより、心臓に負荷かかるので、老化防止には益がありそうです。幼稚園~小学校低学年はよく小走りしてます。あの感じです。

2023年2月6日月曜日

昭和という時代

 写真上は、昭和28年の愛媛県宇和島。お腹をすかせた子供たちに、早めの夕飯をたべさせているとのこと。

 ゴザの上でかき込んでいるその傍らで、牛も干し草をはんでいる。70年前の日本での食事風景である。牛と、ごく自然な一体感が、ほほえましい。

 写真下は、昭和30年の秋田県横手市。庭で行水をしているのですが、その廻りで、何事も無いかのように、まるまると太ったニワトリがついばんでいます。人間はニワトリを意識しないし、ニワトリも人間を意識しない、から醸し出される自然な一体感は、驚き。

『素問』上古天真論の上古の人たちは、こうであったんだろう、と思いはせる。


 

中村富十郎

  歌舞伎役者の中村富十郎(1929~2011)が70歳のときにもうけた次男の鷹之資が23歳になり、富十郎十三回忌追善興行に出演するとのこと。

 歌舞伎はわからないが、70歳でもうけた、というところだけ覚えていました。奥さんは、37も年下でした。

 そのニュースから23年経過したというのもおどろきです。

 普通には、70歳で子供が生まれたら大変とおもうけど、歌舞伎界では後継ぎが無いことのほうが大変なのでしょう。生まれてしまえば何とか育つのですから。事実、鷹之資は立派な後継ぎになりました。

 北里の講習会で、『医心方』をやることになったけど、房内を中心に。天地万物の一員として生殖活動は、自然で当然なのですが、人間ばかりはそうではないようで。

 

2023年1月27日金曜日

1月25日(水)

 

 24日夜は、強い風が吹き荒れ、朝起きて見たら、ドアのすき間から落ち葉が入り込んでいました。寒波と、風とで、とても寒い夜でした。

 25日、I先生の訃報が入りました。体力が弱まっているときは、引き潮だとか、寒波だとかは、強い影響があるのでしょう。影響力が大きな人を、また一人失いました。

 失った人をみてみると、調子に乗って飲酒している人が多いような気がします。影響力が大きい人は、くれぐれも控えてほしいとねがうばかりです。

2023年1月15日日曜日

姿勢と目線

 

 今朝の新聞に、バイデン氏(80)と岸田氏(65)が並んで歩いている写真が掲載されました。まえから、岸田氏が左右に触れて歩くのが気に成っていましたが、背筋がのびたバイデン氏とならぶと、明瞭です。年齢が逆ではないかとおもえるほど。

 岸田氏が姿勢をおろそかにしているのと、バイデン氏が姿勢を重んじているのと、はっきり違いがでました。人は見た目じゃないのですが、一国を預けるのだから、姿勢がよく、たくましく、病気が無いのが望ましい。

 水野南北の『南北相法』によれば、歩く目線は真っすぐ前、やや下がいいのだそう。これを「くろむ」といって吉相だそうです。上を向いたり、下を向いたりして歩くのは、よくない相だそうです。まるで、この写真のことを言っているみたいです。

 まあ、一瞬を切り取った写真だから、これだけで断定はできないのですが。

2023年1月8日日曜日

ボルゾイ(犬種)

 今日は、北里の研究発表会がありました。地下鉄の白金高輪駅でおりると、動物病院にボルゾイという種類の犬が入っていきました。埼玉県では見ることができない、希少の犬種です。

 おどろいたことに、ムラサキというか、ブルーというか、ピカピカの外車が何台も走っていました。イエローもありました。埼玉県ではみない色です。

 駅をおりて数分で、ずいぶん違う所にきたなあ、とお上りさんになってしまいました。お店もおしゃれだし。帰りは、北里通りでチーズケーキを買ってかえりましたが、その途中は、やはりおしゃれな店がたくさんありました。

 今日、「北里の医史研は3月末をもって閉鎖」と発表がありました。客員研究員になって、30年弱。みんなで協力して、いくつかの本を出しました。たいへんだと思ったことはないのですが、ふりかえると大変な山を登ったんだなあ、と懐かしい。

2023年1月3日火曜日

北里の客員研究員

  なぜか、古い名刺が出てきました。

 郵便番号が3桁ですから、だいぶ古いものですが、客員研究員にしてもらって、うれしくて作りました。1990年代初めころだと思います。故石田秀実先生、荒木ひろし先生などが、北里の客員研究員だったので、憧れていたのです。

 今は、名刺を持っていません。名刺を交換する所に行かないか、行っても相手からもらうだけです。会長をやめたので、隠居的というところでしょうか。