医学部講義で、ありきたりの話をしたって、話す方も面白くないから、切り口をかえてみようかと思案中。
そこで、小竹文夫著『上海三十年』を再度読み始める。とはいえ、62ページなので、すぐ読み終える。戦後まもなくの出版物で、紙はわら半紙で、装丁も貧弱。辛うじて、文庫本の体裁を保っている。
中身は肌で感じた中国人論。既成の本をなぞって作り上げた中国人論とは、別格の重みがある。
古代の中国人が、生薬・経絡・経穴を発見した、その経緯をたずねてみようと思ったのです。
漢方の大元は生薬で、今では合理的な説明ができるから、現代の医療に取り入れられている。しかし、鍼灸の大元の経絡・経穴は、合理的な説明ができないから、現代の医療に取り入れられていない。なにしろ、専門家である鍼灸師でさえ、経絡・経穴を、きちんと説明できないわけだから、なお深刻である。
経絡・経穴は、どういう端緒で見つけ出され、どのような経緯をたどって学問になったのか。その当たりを、中国人の特性から、さらってみようと思ったのです。
経絡・経穴を発見した、古代中国人のことを