2019年3月31日日曜日

納得のコーヒー

 今まで、コーヒーは90度のお湯でいれていましたが、納得の味にならないので、苦慮していました。

 先日、浦和のコーヒー店で教わったところ、82度で淹れるとのこと。蒸らす時間も、ローストしたばかりは短く、古い豆は長くするのだそうです。

 82度で淹れてみました。上手く淹れることができました(パチパチ)。お湯の落ちるスピードが、90度より早いのです。同じお湯なのに、こんなにも違うものか。

 つまり、90度のお湯は、コーヒーに浸かっている時間が長いのでエグ味が出てくるのでしょう。それを、淹れ方が悪いのだとばっかり思っていたから、苦慮していたのでした。

 コーヒーを淹れるマニュアルでは、80度~90度と書いてあることが多いので、90度にし、そこに留まっていたので迷いが始まったのでした。80度もためしてみればよかった。頭が固いと言うか・・・


2019年3月27日水曜日

通り一遍ではない

 勉強会で、後輩が「選ぶツボと探すツボがあるんだ」と言ったので、なかなか良いこというなと思ってたら、僕の受け売りだそうです。そういえば、言ったかも。

 思い出しました。病気に効くツボの系統(選ぶツボ)と、血流が悪いツボの系統(探すツボ)とがあります。病気に効くツボは、指定された数のお灸をします。血流が悪いツボは、血流がよくなるまでお灸をします。ツボの種類によって、治療法が微妙に変わっていくのです。

 別の機会では、(別の人ですが)「お灸は、熱を入れるのではなく、本人の熱を表面に呼び込むのだ」といったので、なるほどと思いましたが、僕が言ったのだそうです。そういえば、言ったかも。

 思い出しました。お灸をしようとするときは、体表に熱が足りないときです。お灸して本人の熱を体表に引き上げると、皮膚にツヤがでてきます。血流にのって、皮脂がめぐってきたのだと思います。乾燥していれば、しっとりしてきます。そうなれば、有効ということになります。また、ひふにツヤが出て来た、ハリがでてきた、うるおってきた、というのが有効の目安になります。お灸で熱を入れるというのであれば、赤くなってきた、温かになってきた、が有効の目安になりますから、おなじお灸でも意識の持ち様で目安が異なるわけです。

 お料理でも、火が通ったかは、クシを刺してみるだけでなく、ものによっては浮いてきたり、色が変わったり、天ぷらでは油の音が変化したり、こういうのを目安にしていると同じです。いずれにしても、通り一遍ではないのです。


2019年3月22日金曜日

ソメイヨシノに心を奪われる

 この時期、サクラがいつ開花するか、満開はいつか、という話題でもちっきりですが、こころ静かにみわたせば、いろいろな花が咲いていますねえ。もくれん、こぶし、クリスマスローズ、ほかにソメイヨシノではないサクラ。ソメイヨシノばかりに気を取られていると、周りの花々を見落としてしまいます。毎年、この時期は「花に心が奪われる」ことから、自らをかえりみています。

 鍼灸師の診察は、すべて自分の感覚で行いますから、意識が一つに集中すると、他方を見落とします。どれかに偏ると、どれかがおろそかになります。そうすると、たくさんの情報がえられませんし、得られた情報も歪んでみえているかもしれません。鍼灸師の診察が難しいのは、ここにあります。

 一月ほどまえ、便器にすわると、お尻の下がいたくて、おしっこもでなくなる、便秘にもなるという方が見えました。男性でしたので、前立腺と直腸の病気を疑い、病院で診察してもらうよう指示しました。1回目の治療は無効。なぜなら、疑いを持ったところで、そこに気を取られて、冷静に診察できていなかったのです。2回目の治療は、前立腺と直腸に病気は無いということだったので、冷静に診察をすることができました。その結果、臀部と大腿後側がとても冷えているのがわかりましたので、温まるまで灸頭鍼をしました。そうしたら、3回目からぐんぐん良くなってきました。1回目は、疑いを持ち、病気に気を取られていたので、とても冷えていたことに気が付きませんでした。感覚が鈍いのではないのです。意識が偏ると見落とすのです。

 毎年、サクラで盛り上がるこの時期、「偏見、頑固、視野が狭い、自己中心」にならないと自省するのでありました。

 


2019年3月21日木曜日

鶯谷書院 移る

 鶯谷に解説した鶯谷書院は、5月末日で、多摩市に移転します。知人の事務所に居候することになりました。新宿から京王線で30分、多摩センター駅から10分弱だそうです。鶯谷の活動よりは縮小するでしょうが、お暇な人は、遊びに来てください。

 いままでの倍の時間がかかるのですが、もともと関東近県でも良いと思っていたので、遠くなると行ってもまあ近いです。九州で講演すると、「遠くからよくおいでいただきました」といわれたら、「まあ、国内ですから、近いです」と答えることにしています。昔のように、徒歩というわけではないですから。

 遠い、近いは、主観ですから、問題にならないのです。自分の好きなことならば、どんな遠くでも近いのですが、そうでなければご近所でも遠いのです。ようは、気の持ちよう、考え方次第です。

 こんどは、どのような世界が待っているのか、楽しみでもあります。

2019年3月12日火曜日

チリ津波

 1960年のチリで起きた地震の影響で、津波が発生し、日本にも到達し、チリ津波とよばれています。父は、隣町の塩竃に家を借りていて、居間の床から1メートル50センチのところの壁に線があり、チリ津波の海水が到達したところとおそわりました。海面からすれば、3メートル弱。

 そのころ小学生高学年12歳だとして、津波後8年になります。今年が東日本津波の8年ですから、同じです。見た目には、塩竃は復旧していたようでした。というか、建物は壊れずにあって、海水が引いたあとそのまま使っていたのでしょう。なによりも、人が多くいたので、活気があったのでしょう。いまは、地方は人が少ないので、いかに復興整備しようが、町は戻っていません。まずは人口が増えなければ。

 写真がその被害状況ですが、建物は残っていて、見覚えあります。船をかたづければ、ほぼ元通りだったかもしれません。



2019年3月11日月曜日

養生啓発年間

 食事の指導を食養生といいます。食養ともいいます。調食という言い方もあります。中医学を学んだ人は、すぐ薬膳にむすびつけます。養生と言えば、自分で実行し、継続しなければ意味がありませんから、薬膳というのはハードルが高いのではないでしょうか。

 栄養学、食べる質量、食べるタイミング、相性、アレルギー、入手しやすさ。食養が課題とする内容は沢山あるのです。それらが合理的に整理され、食養を行う人が納得しなければ、食養は成立しないのであります。養生をじっくり考え、見直す時期に来ているのです。

 鍼灸の学校で養生を教えていないせいか、鍼灸師のみなさんは、養生については関心ある風でいて、ほぼ無関心です。そのことを知ってしまうと、自分の業界が恥ずかしくなります。教科書もないし、教える教師もいないので、この先、30年くらいは、東洋医学から養生を世の中に訴えることはないと思います。

 学会としては体育大学の先生がたが運営している日本養生学会があり、本もでています。先を越されています。ただし、東洋医学の古典に立脚しているわけではないので、学問としては半分だと思います。私たちは、古典に立脚した養生学を提案する義務があるのです。

 というような悩みを抱えながら、今年は個人的には養生啓発年間としよう思っています。講座は、いまのところ3回。東京で1回(3月31日。定員に達して締め切り)。大阪で2回(4月28日、10月27日)です。来年は、まとめる年にしましょう。

2019年3月5日火曜日

櫓をこぐ

『マンガ おくのほそ道』(平凡社)の櫓をこぐ場面は、手の使い方が間違っています。この本が出たころは、画像資料が無かったのでしょう。今なら、ユーチューブで確認できます。

 櫓の先端から30センチくらいのところに、縦に棒が刺さっています。これは向こう側、こちら側に倒すものです。倒す手は左手です(この漫画では右手に誤っています)。
 
 右手は櫓の先に置き、左手の補助的な役割をします。添える程度にし、使わなくても漕げるようです。

 足元でいえば、左足を前、右足を後ろにしますが、この漫画では並行です。

 上半身は、櫓とほぼ並行です。居眠りすることを、櫓をこぐといいますが、そんな感じに体を前後に動かします。この漫画では、へっぴり腰になっています。

 子供のころは、まだこういう舟がありましたし、この櫓で遊んだ記憶もあります。半世紀以上も前です。そんなわけで、この一コマ、変だなと思ったのです。


2019年3月4日月曜日

奥の細道

 奥の細道で、芭蕉は、松島の景色にこころを奪われたらしいのです。その画像として、高い山から見下ろした島々の風景が紹介されてますけど、芭蕉は、塩竃から船で松島に向かっただけで、見下ろしてはいないのです。つまり、小舟に座ってみた風景にこころを奪われたのです。一回、みてみたいものです。

 いつ買ったのか。『マンガ おくのほそ道』(平凡社)がありました。しかし、漫画家の想像力は、すごい。登場人物を絵であらわすのですから。

 下の人物は、仙台の画工「かえ門」ですが、想像もつかない顔立ちでした。わらじをプレゼントしてくれたり、塩竃までの地図を書いてくれたり、とてもやさしい人なのです。

仙台の画工「かえ門」を、