2023年8月30日水曜日

「こころに劇的、漢方薬」

 27日に、佐賀で講演してきました。時間に余裕をもたせたので、本棚から、益田総子著「こころに劇的、漢方薬」(同時代社、1999年)をとりだしもって行きました。20年ほど前にかった本ですが、いちども読まずにいました。ちかごろ「こころ」に興味を持ちだしましたので、ナイスなタイミングでした。

 心身症の症例を、小説風にしたててありますので、とても読みやすく、読み終えることができました。漢方薬を処方していますから、鍼灸に応用しにくいのですが、ヒントにはなります。心因-症状の関係ではなく、心因-体の歪み-症状ということにすれば、体の歪みをターゲットにした漢方治療ができるのです。症例では、体の歪み用の漢方と、症状用の漢方・洋薬を使いこなしています。

 鍼灸も同じようにできれば、心身症にも対応できるのでは、と一筋の光明がみえてきました。

 本書のような鍼灸書もほしいところですが、書き手はいないでしょうね。臨床家は多いのですが、普及家、政治家、教育家など、多方面にわたる人材がいないと、広がらないですねえ。

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