2023年11月14日火曜日

生まれ変わる

 インドで生まれる宗教は、輪廻転生という死生観の上に成立している(らしい)。6つの世界のどれかに生まれ変わるので、六道輪廻といいます。人間に生まれ変わるだけでなく、畜生に生まれ変わり、地獄に落ちるのですから、恐ろしい死生観なのです。

 秦の始皇帝は、来世で必要になる軍隊のコピーを地下宮殿に埋めました。それは発掘されて、「兵馬俑」と名づけられました。この場合、自分は、自分に生まれ変わるという死生観になります。日本で「あの子はおばあちゃんの生まれ変わりだ」ということがありますが、これは同じ血筋に生まれ変わるという死生観になります。こういう死生観であれば、恐れはありません。

 古代中国では、精神のたましいは、魂となり、天に帰り、肉体のたましいは、魄となり、地に帰ると考えていました。その魂と魄が合体すれば、生きかえることができたと考えていたようです。お盆にお迎えしているのが魂で、お墓に埋めているのが魄ということになります。

 以上の3つの死生観は、両親世代以前の死生観と思われます。

 現代は、現世主義的な死生観で、来世を考えず、現世を充実したものにすることに力点が置かれているようです。健康、長寿、幸福を強く願い、かつ古い死生観を受け継がない、というような死生観になります。

 輪廻があるのか、生まれ変わりがあるのか、生き返るのか、今世かぎりなのか、お好みの死生観を選んでください。



 



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