2023年11月27日月曜日

けやき通りの紅葉


  目の前の通りは、けやき通りといい、道路の両側はけやきが並んでいる。移ってきたときは若木でしたから、40ねん~50年という樹齢かと思います。枯れ葉の散る量が多いので、毎年、市が落ち葉になる前に枝払ってくれていましたが、今年は、来ません。市の財政が苦しいのでしょうかか。紅葉を楽しむという意味では、来なくてもいいのですが。

 正しくは、紅葉ではなく、黄葉ですが。

「黄葉、止啼銭」という仏語があります。黄色の葉を、黄金の硬貨だといって、こどもをだますこと。わかったふりして説明しても、こどもをだましているに過ぎない、という意味。

 鍼灸の学問は、この手のものが多くて、教科書をはじめ、先生方の説明も、どうも「黄葉、止啼銭」のごとし。肝は血を蔵す。他の器官も切れば血が出るから、肝だけではないでしょう。ただしくは、肝は、血をコントロールする魂というかみ様をかくまっている、という意味です。そうでないと、心は脈を蔵すとは、心に脈管が充満していることになる。

成城学園前西口から富士山

  5年ほど前に、成城の住人から、成城学園前西口から富士山が見えたけど、建物がたってしまって見えなくなった、とおそわりました。2階建ての建物なのですが。

 ずっとそう思っていましたが、11月23日の夕方、2階建ての建物の左側に、西日を背にした富士山のシルエットが、ちいさく見えました。西口改札からは見えなくなったけれど、すこし南のほうにずれると見えるのです。

 冬は、京浜東北線の荒川鉄橋のところでも、わずかに見えます。

 目の前にど~んと見えるのも良いけど、すき間からチラリと見えるのも良いものです。


2023年11月23日木曜日

津山城

  広島講義の帰りに、岡山県津山市の津山城に行ってきました。2005年に備中櫓が復元されていたので、いつか、と思っていました。

 岡山駅から津山線で各駅停車で90分。快速でも70分。日程には、余裕が必要。まして、この時期は日が沈むのがはやいから、帰りは気持ちがせわしない。

 今まであちこちの城跡に行きましたが、一番整っていて、一番立派。本丸跡なんぞは、野球場が作れるの? というほど広い。許されるのなら、石垣を上手につかってスタジアムを作ってみたい。

 津山市の人口(10万人ちょっと)は少しずつ減っているらしい、あと50年もしたら半分になるとの予測。地方の、さらに地方の、縮小ぶりは、全国同じ。この国はどうなるんでしょうね。どうにかなるんでしょうけど。

広島大学の講義

  20日(月)に広島大学医学部3回生の講義をしてきました。階段教室の、140人(弱?)の学生でした。

 顔を上げて聞いているのが1割、寝ているのが1割、残りは下を向いて静かにしていました。下を向いているのは、タブレットを見ているのか、内職しているのか。配布資料は、すべてタブレットに入っているとのこと。

 このような空気で、すこし固まりそうになりましたが、パワーポイントがあったので淡々と説明しました。パワーポイント無しだったら、アウトだったかも。鍼灸師、鍼灸学生を対象にした講義とは、まったく異風景。

 講義屋さんなら、燃える設定でしょうね。いかに寝かせないか、いかに顔を上げさせるか。

 養心的には、どんな環境にも動じない、鍛えるという意味で〇。チャレンジしたほうがよい。人とできるだけ交わらないという意味で×。はやく離れたほうがよい。

2023年11月14日火曜日

生まれ変わる

 インドで生まれる宗教は、輪廻転生という死生観の上に成立している(らしい)。6つの世界のどれかに生まれ変わるので、六道輪廻といいます。人間に生まれ変わるだけでなく、畜生に生まれ変わり、地獄に落ちるのですから、恐ろしい死生観なのです。

 秦の始皇帝は、来世で必要になる軍隊のコピーを地下宮殿に埋めました。それは発掘されて、「兵馬俑」と名づけられました。この場合、自分は、自分に生まれ変わるという死生観になります。日本で「あの子はおばあちゃんの生まれ変わりだ」ということがありますが、これは同じ血筋に生まれ変わるという死生観になります。こういう死生観であれば、恐れはありません。

 古代中国では、精神のたましいは、魂となり、天に帰り、肉体のたましいは、魄となり、地に帰ると考えていました。その魂と魄が合体すれば、生きかえることができたと考えていたようです。お盆にお迎えしているのが魂で、お墓に埋めているのが魄ということになります。

 以上の3つの死生観は、両親世代以前の死生観と思われます。

 現代は、現世主義的な死生観で、来世を考えず、現世を充実したものにすることに力点が置かれているようです。健康、長寿、幸福を強く願い、かつ古い死生観を受け継がない、というような死生観になります。

 輪廻があるのか、生まれ変わりがあるのか、生き返るのか、今世かぎりなのか、お好みの死生観を選んでください。



 



2023年11月6日月曜日

熊をぼる

 最近、クマ出没、クマに襲われるというニュースが多い。クマを撃退するクマスプレーというのがあるらしいが、クマが近寄ってこない熊忌避剤というのもあるらしい。その製品名が「熊をぼる」というもので、青森の方言で「熊を追い払う」という意味とのこと。

 そういえば、宮城の方言でも追いはらうことを「ぼう」と言いました。「犬をぼう」。しらべてみると、但馬方言(兵庫県)、横手方言(秋田県)も同じように言うらしい。してみると、方言では無くて、標準語ということになります。

 秋田県の鹿角市は岩手県境に近くクマが良く出るらしい。鹿角出身の娘さんが我が家の近くに住んでいて、お母さんが訪ねてきたときに、クマがよく出ると話してくれましたが、今年はそれどころじゃないでしょうね

2023年11月3日金曜日

優先順位ー養心のすすめ

  孔子に、道徳が、法律に優先するという話がある。父親が羊を盗んでも、子供は警察に訴えない。それは、孝行という徳を重視するからである。法律を犯しても、罪を償うことができる。しかし、子供が警察に訴えれば、親子の縁が切れてしまい、子供は孝行という徳を積むことができなくなる。

 倫理が、道徳、法律に優先することもある。女優のなんとかさんが不倫した。世の中は叩いた。法律を犯したわけではないので、てっていてきに叩いたのは、世の中の人は倫理を優先しているのである。倫理は道徳、法律より重しと。

 協調性が、道徳、倫理、法律に優先することもある。協調性が無いと仲間はずれにしてしまう。道徳、倫理、法律に背いていないのに。

 個人的には、健康を保つこと(養生)は、協調性や倫理や道徳や法律に優先すると思っている。協調性や倫理や道徳や法律のためにキュウキュウとするなら、それらから距離をおいて、心穏やかに生きることを優先すべきだと訴えたい。養心のすすめである。