2021年7月25日日曜日

棲雲寺その後

  7月22日(休)に、棲雲寺に行ってきました。


 やはり行ってみなければわかりませんね。ユーチューブで動画配信されていますが。

 まず体で感じる空気感。音の無さ。目の前に空と山しかない。

 中央線の甲斐大和駅からバスで12分。帰りは歩いたので、90分。

 今では2車線の道路ですが、途中の峠の案内板には大正3年の〔牛が荷物を運んでいる〕写真があって、困難な細い山道だったようです。つまり、甲州街道から、7キロくらい、細い山道をたどると行き着く寺だったようで、知る人ぞ知る、名刹だったようです。

 開山は業海本浄(ごっかいほんじょう)で、中国の天目山で8年間修行してきました。当時の禅宗は臨済五山といって、文学僧や役人僧であって、座禅もしなかったようです。求道者は、道を中国にもとめて留学しました。中国では、厳しい修行が行われ、その成果を日本に持ち込んだのが臨済宗幻住派です。(本来を失った)ぬるい禅宗~(本来の)きびしい禅宗を取り戻したのです。

 中国の本家は、人里離れた山奥で、もっぱら座禅し、生涯未悟といって、座禅をやめませんでした。それに倣って、業海も、人里離れた山奥を選んだようですが、写真の山道を思うと、本気の禅宗を目指したことがわかります。帰りは、丁度よいバスが無かったので、歩くことにしました。太陽がてりつけ、後悔心もありましたが、峠の案内板の写真をみることができたので、大収穫でした。








2021年7月12日月曜日

藤沢周平『玄鳥』

  30代前半、湯島聖堂で、大東文化大学を退官なさった原田種成(たねしげ)教授が、段玉裁『説文解字注』を講義なさっているのを知って、1年ほど受講しました。

 専門家の本格的な講義を受けたことがなかったので、たのしみでした。受けたのは、初めのほうの草部で、1年ほど経ってもまだ草部でした。最初から、飛ばさないで、きちんと読み進むのが、中国学の伝統的な読み方だということでした。初学の者でしたから、受講して有益だったかどうかわかりませんが、アカデミーに接したという喜びが収穫でした。

 講座の時に、出版物の、文字の間違い・使い方の誤りなどを指摘すると、大抵の著者からは返事はこないが、藤沢周平さんだけは律儀にお礼を書いてくる、誠実な人だ、というような話をして、出版されたばかりの『玄鳥』を推薦していました。それで、買ったのですが、読んでいません。

 これによって、1991年(平成3年)35歳の時に受講していたのだとわかりました。





『訓詁方法論』

 1986年(昭和61)に難経研究会が、島田隆司、金古英毅、八木素萌(以上、故人)、篠原孝市、谷田伸治、左合昌美の6人で発足(発足には関わっていないので、経緯は不明)。篠原、谷田両氏が早くに退会したので、数年後に呼ばれて加入。島田先生の逝去にともない、自然散会したとおもわれる。

 その時、教材にしていたのが陸宗達(1905~1988)・王寧(1936~)の師弟が著した『訓詁方法論』である。190ページほどの小冊子ながら、中身は濃く、訓詁の意義・方法について知ることができた、記念碑的な本である。勉強といっても、まず翻訳から始まるから、なかなかしんどいものでした。

 昭和61年は、東川口で開業した年で、30歳。30代は、本書を初めとして、「説文解字注」に取り組んだりしてました。北里研究所に出入りするようになったのもこのころで、課題の『史記』幻雲注に取り組んでいました。その幻雲については、最近も調べましたが・・

 その『史記』幻雲注は、北里から出版され、東北大学の金谷治先生に寄贈したところ、ほめてもらい、著書の論語(岩波文庫)をいただきました(何で金谷先生に送ったのかは、思い出せません)。金谷先生は、石田秀実先生の師匠にあたります。

 当時は、教材が少ないので精読してましたし、精読した分、記憶に残っています。若い、ということもあったでしょうが。 


 

2021年7月7日水曜日

中山ラビさん逝去

  新聞の死亡欄に、中山ラビさんが73歳で逝去とあった。なぜか、手元にCD1枚ある。昨日は一日中、そのCDを流し続け追善供養。CD1枚の間柄なのですが。

 「ケンとメリ 愛のスカイライン」というを歌っていた人とのこと。1972年に発売されたクルマらしいので、高校1年生のころか。



2021年7月4日日曜日

NAVI 最終号

  写真は、自動車雑誌NAVIの最終号である。2010年の4月号である。定期的に読んでいたものですが、廃刊を期に、自動車熱も冷めてしまいました。雑誌をよめば新しい情報が入って、気持ちは高まるのですが、根っからのクルマ好きではなかったらしく、冷めてしまったのです。

 医道の日本も、昨年に廃刊しましたが、同じように、鍼灸熱が冷めてしまった人もいるかもしれません。新しい情報も入らないし、大御所の文章に接する機会がなくなり、どうなるんでしょうねえ。

 嘘の情報では困るのですが、ある程度、ばたばた扇いでもらわないと、この業界沈潜しそうです。扇ぐのは、今後は紙媒体ではなさそうです。が、古典を扱っている都合上、紙媒体と縁を切ることは、できなさそうです。若手が、何か考えて、何か実行してくれるのだと、期待したい。



2021年7月3日土曜日

シンポジウム「未病と養生」

 8月22日(日)に「未病と養生」をテーマとしたシンポジウムを北里医史研が開催します。どなたでもご参加頂けますのでふるってご参加ください。明日5日から正式に告知・申込受付予定です。

僕は、第1席で、「養生とは? 初歩的な理解」と題して発表します。他の人は、大学の教授が3人、京都の猪飼さん、鍼灸ジャーナリストの松田さん、の5人です。その中で、養生を、ごく初歩的な解釈をしてみました。(自分では、画期的な内容だと思っています。)

興味のある方は、下記アドレスをのぞいて、お申し込みください。人数制限があるようです。

詳細は、下記の申し込みフォーム(https://kitasatotoikenyojo2021.peatix.com)または、北里大学東洋医学総合研究所医史学研究部医史学研究部facebookページ(https://www.facebook.com/kitasatoishikenをご確認ください。