2018年8月23日木曜日

「一」

金谷治『中国思想を考える』からの引用。

「実際、日本人は、選択好きなようです。日本人は、何でも比べたがって、どちらが良いどちらが悪いということをすぐ言いたがる。」
 
「(中国人は)まずは両方をそのままに認めます。両方がそれぞれに違ったあり方をしているのは、あるいは対立しているのは、~~一時的な現象だけで簡単に比べられるものではありません。」

 4月29日、日本内経医学会30周年集会で、黄龍祥先生が、『内経』のキーワードは気血だとお話されたが、会場から、「気と血どちらが大事なんですか?」という質問があったが、これが日本人の質問なのだなあと思い出しました。9月26日は、久留米の気血研究会で発表。テーマは、「東西医学の気」だそうです。なんでもかんでも「気」に帰一してしまうのは、どうなんでしょう。

 気だけでなく、一つの鍼法だけ。補法だけ。虚は陰経だけ。ということをよくききます。日本人は、淡泊に「一」にしているのでしょうが、老子がいう「一」は、「二」という区別をせず無にして「一」にしているもので、同じ「一」でもまるっきり違います。同じ「一」なので、同列のようですが、かたや浅く、かたや奥深い。

 どうせ「一」にするなら、奥深いのも欲しいところ。

 

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