岩波文庫の『東洋的な見方』は、いくつかの短い文章の集まりです。読むごとに、印象的な文章が異なるのが、自分では面白い。何度も読んでいるのですが・・
以前には、禅に関する文章をよく読んでいたが、いまは浄土にかんする文章が面白い。印象をいえば、『老子』と浄土と、『荘子』と禅とが、一脈通じているようである。今とりくんでいるのが『老子』なので、自然と浄土に手がゆくのです。
『荘子』は、森共之先生が、「されば。老子と論語とは平易也。孟子と荘子の書は険詖也」というのが頭に残っていて、読んでいて面白いけど、手を出さないことにしている。
険詖(けんぴ)とは、心がねじけて、よこしまなこと。性質が陰険で邪悪なこと。共之先生の批評はだいぶ厳しい。共之先生に言わせれば、老子は余計な知識、言葉は無用というのに、ムダにお喋りしている荘子は、いかにも老子の考えを踏まえていそうだが、老子の後継者じゃないのである。
今回は、『東洋的な見方』「自力と他力」が心にしみました。こういうのが読めるようになったのも、嬉しいでした。
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