2017年4月29日土曜日

浅野裕一『孫子』とトランプ大統領

『孫子』(講談社学術文庫)の浅野裕一解説。
「戦争の本質をわきまえるならば、最善の方策は、敵国の意図を素早く察知し、敵国が軍事行動を起こす以前に、その計画を撤回させることである。」「ただし、敵国の策謀を未然に挫いたり、敵国の同盟関係を解体したりできるのも、自国に画策の材料となる軍事力があればこそである。もし、自国が軍事的に全く無力であると見透かされたときは、敵の侵攻計画を断念させたり、同盟国に参戦の意志をひるがえさせる、いかなる取引や裏工作にも、相手は決して乗ってこない。」

 これは、米国のトランプ大統領の作戦と全く同じである。北朝鮮を説得するには、あるいは同盟国である中国を引き離す、そういう戦略ができるのは圧倒的な軍事力をもった米国しかない。トランプ大統領は、『孫子』を読んでいるのか。あるいは、同じような戦略の西洋式兵書があるのだろうか。

 両国の間にたつ日本は、右往左往するしかない。右往左往しながら、どのようにして一国のプライドを維持していくのか。首相の力量が問われるところでしょう。

 米国の大統領にしろ、日本の首相にしろ、「帝王学」というのは欠かせない。

 わたし達も同じである。小さいながらも一国一城の主。学校では、生徒の指導者。鍼灸にも、それなりの「帝王学」が必要ではないでしょう。

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