2018年1月14日日曜日

大徳寺玉林院

 京都の紫野の大徳寺、その塔頭のひとつ玉林院は、曲直瀬正琳(1565~1611)が、1609年に、つまり45歳のときに、月岑宗印を招いて建てた塔頭である。おそらく数億円、或いは数十億円かかっただろうに。

 三玄院は、石田三成、浅野幸長、森忠政らが、春屋宗園のために建てた塔頭である。一つの塔頭を大名3人がかりで建てているのに、それを正琳が一人で建てたのである。おそるべき財力。それよりも、それを寄進する胆の大きさがけた違いである。「私」への執着が無い人でなければできない行いである。正琳といえば、第一級の医者であるが、それ位の人物は何人もいる。第一級でも、そうでなくても、かくのごとき無私の人は、そうはいない。

 一つ一つの建物(だけでなく街にも)物語があると思うと、観光も、なかなかに味わい深い。


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