2024年3月18日月曜日

『老子』第20章

 『老子』第20章は「わたしは愚かものの心の持ち主、のろのろと間がぬけている。道を知ろうとしない世間の人々は、はきはきと知恵がよくまわるのに引き替え、わたしだけはどんより暗くよどんでいるかのようだ。世間の人々はてきぱきと敏腕を振るうのに対して、わたしだけはもたもたしている」とある。いじけた人物の、いじけたさまの羅列で、なぜ『老子』にあるのか解らないでいたが、冒頭の「学を絶つ」がキーワードで、学を絶つとは人為を絶つことで、つまり無為のことを言っている。いじけた人物は、無為であり、自然であり、実は楽しんで、愉快なのである。ああ、いじけた人物、いじけたさまと見た自分がうらめしい。

 

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