2024年3月17日日曜日

澤木興道全集第二巻

 澤木興道(1880~1965)は、曹洞宗の僧侶。定住の寺を持たなかったので「宿なし興道」と呼ばれたらしい。まさに行雲流水を実践したひと。

『全集』は全18巻で、別巻1冊。その第2巻が「禅談」で、講話を文字に起こしたもの(なぜか第2巻だけが家にある)。宗教的談話を、文字に起こす人はよほどの教養の持ち主である。澤木の話は、仏教くさくなく、たとえ話しが豊富で、とても面白い。

 この中に「少欲と知足」という章がある。お釈迦さまの最後の説法をおさめる『遺教経』が出処という。『老子』にも、十九章に「寡欲」、三十三章・四十四章に「知足」とあり、仏教と道家は、この辺りで通じていると思われる。ちなみに、得る前の欲を戒めたのが「少欲」で、得た後の欲を戒めたのが「知足」という。


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