野田岩を話題にしたので、子母澤寛『味覚極楽』をとりだして読みました。この当時は、天然ウナギのほかに養殖ウナギが出回っていて、養殖ウナギは「くさくてくえない」しろものだったらしい。今の養殖技術は高まっているから、そんなことはないでしょうが。くさいかどうかわかりませんが、天然うなぎは、油っぽいのは皮の部分だけで、身は白身感を残していて、焼いても、身にすこしばかりの締まりがありますが、養殖うなぎは、身にもあぶらがまわって(いわゆる霜降り)、火を通すとホロホロとくずれてしまいます。白焼きは、養殖は不向きで、天然にかぎるでしょう。
「菊五郎は狩猟をやる。鉄砲自慢だから、まず話をそんなところから持って行って、「猟に行かれてお弁当などをあがったら定めしうまいでしょうなあ」とやった。ところが菊五郎は、すぐ「あなた猟をやりますか」「いやあ、私は出来ません」といったら、「それじゃ、猟の弁当の話をしたってわからねえや」といったきりで、・・・」
この段、割と好きです。いま、テレビだって、バーチャルだとかいうものだって、にせ現場がはばをきかしていますが、やっぱり現場が何よりです。ぼくの悩みは、お灸をしていない人に、お灸の話をすることなのです。この壁をどのように乗り越えるかが、悩みなのです。
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