このたび、池田知久の『老子』に関連する、「全訳注」と「その思想を読み尽くす」の2書を買いました。前者は、231ページと大人しいものですが、後者は、861ページと挑戦的なものでした。
後者の第二章「『老子』という書」を読むと、伝世文献の研究だけでなく、出土文献の研究が欠かせないと痛感。しかし、出土文献を読むには、伝世文献研究の積み重ねが必要なのはいうまでもない。
「経脈についての合理的な説明」といえば、『霊枢』経脈篇の研究が必須なのだけど、振り返ってみると、やはり限界がありました。それを破るのが、出土文献の馬王堆医書、張家山医書などですが、わが国では研究はほとんど進んでいないのが現状です。これでは、いつまでたっても「合理的な説明」には至らないでしょう。
では、いますぐ出土文献に着手すればいいのかといえば、そうでもない。『霊枢』経脈篇の研究がおろそかになっていますし、『霊枢』全体と経脈篇の関係、『素問』と経脈篇の関係など、未探の宿題は多いのであります。道はとおし。
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