今月末に、養生の講義があるので、今日は、食事養生を考えてました。
その代表は精進料理です。仏教では殺生を禁じていますから、料理はおのずと野菜が主役の精進料理です。父方のおじいさんが亡くなった時、中学生でしたが、葬儀に参加し、食事が振る舞われました。近所のオガタ(奥さん)が集まって作る精進料理です。銘々のお膳に、食べたことのない料理が出てきたのを思い出しました。今から、50年前のことです。
あんな田舎でも、きちんとした葬儀していたのは、今でも誇りに思います。それ以後は、たましいがずたずたになり、精進という概念も薄れ、律儀に葬儀をするという気持ちも無くなり、すべて葬儀屋さんのいうとおりに、しているのが現在です。
いま、欧州で、ビーガンという菜食主義者が増えているようです。ドイツでは、2020年には、5人に1人くらいの割合になるそうです。単に肉食を忌避するのではなく、動物を愛護する倫理上の菜食主義のようです。菜食主義先進国だった日本が、菜食主義を捨てて、肉食主義に変わっている現在、先進国は菜食主義に移行しつつあるのです。なんだか恥ずかしくなりました。さらには、ロカボが流行って肉食が加速している、そんな自己都合が大手を振っていることが、とても恥ずかしいのです。
また、アニマルウェルフェアといって、動物や家畜を愛護する政策もあるようです。たとえば、イタリアでは、鶏のケージ飼いは禁止されていて、すべて平飼いなのだそうです。家畜とはいえ、不健康な環境は、許さぬぞ。イギリスでは、健康的な環境で飼育するように、政策で指導しているようです。ひるがえって、日本を見てみると、とても後進国なのだなあと思います。
そのおじいさんの孫(10歳くらい年上のいとこ)の結婚式も自宅で行っていたのを思い出しました。自宅で冠婚葬祭をするのは、つい50年前まで続いていました。古いやり方だと思っていましたが、いま考えると、先進的だったのかも知れません。
この50年で失ったものはたくさんあるけれども、たましいまで失ったことがまことに遺憾。
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