2017年12月20日水曜日

金沢の雪男

 12月17日は、金沢で、東方会北陸支部の講演でした。なんと雪でした。11月19日の札幌も雪でした。もしかしたら、雪男かもしれません。雨男とはいうものの雪男とはいいません。足元の靴は、こちら用の靴で、まるっきり役に立ちません。よくすべります。

 金沢には、あと3回、『素問』の講義がつづきます。古典を読む時の心構えと、漢和辞典の使い方をはなしてきました。

 古典は、読み終わるまで年月がかかるのですから、最後の最後まで信用しつくし、少しの疑いももたずに読まなければ、本当のことはわからないと思います。役に立つとか立たないとか、諸説紛々で信じられないとか、そのような目で見たら、それ以上先には進めません。中途で脱落したら、面白みは半減、面白み末梢ではないでしょうか。

 伊藤仁斎の『童子問』
「近道によってただちに最高の真理に到達する方法がありはしないでしょうか」
「そうではない。学問は正しく行われることが必要であるし、仕事はじっくりなされなければならない。特殊なことを喜んではいけないし、近道しようとすることは許されぬ。水が満ちてくれば、おのずと舟はただよい、花が散ったあとにみを結ぶように、自然にできあがるのがよい」

 最後の「自然にできあがる」は、まったく同感です。どうせ、遠い道、回り道を選んだのだから、覚悟をきめて読むしかないのです。コツコツ自然に。

 島田先生とプレーすることを望んで、テニスを始めて20年近くになるが、いっこうに上達しない。上達したいと思いながらコツコツと努力し、その結果「自然に上達する」と思いこんで、がんばっているところです。島田先生とは彼岸のコートで。


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