2017年7月29日土曜日

忍岡中学のさくら

 鶯谷駅北口の道路むこうに忍岡中学がある。道路沿いには、桜が並んでいる。いつも、その一番端っこの桜の下を通過して、鶯谷書院に向かうのだが、なぜか、桜のにおいがしないのである。よこしまな心が、においを遮断しているのかも知れない。

 稀に桜のにおいがすることがある。たいていの桜はにおいを八方に放散しているが、この桜は細い帯状ににおいを放散しているらしく、その帯を通過する一瞬だけ桜のにおいがする。なんともナイーブな桜である。よこしまな心が無くて、さらに運がよければ、年に数回、桜のにおいにありつける。

 現在住んでいるところは、40年前に、田圃を埋め立てた新興住宅地である。そのためか、旅行をしてしばらくぶりに家に帰ると、東川口駅から家にむかう途中で田圃のにおいがする。普段のときは、田圃のにおいはしないが、しばらくぶりだと田圃のにおいがする。

 町歩きも、目ばかり酷使しないで、鼻、耳、皮膚も活用すると面白いですよ。コツは。見ようとしないで見る、聞こうとしないで聞く、嗅ごうとしないで嗅ぐこと。よこしまな心は(何かを考えたら)、邪魔になります。
 
 

0 件のコメント:

コメントを投稿