2017年5月8日月曜日

 正直・誠実

 かつては、かつ丼、おやこ丼、開化丼は、おそば屋さんで食べていました。
 かつては、そのおそば屋さんは、出前をしてくれました。
 しかし、カツ丼があって、出前をしてくれるおそば屋さんは、ほぼ亡くなりました。今残っているおそば屋さんは、味にこだわった本格的なおそば屋さんです。

 高校生のとき、父親に、学校の帰り道に、塩竃市の丹六園で、お茶を買ってこいとよく頼まれました。丹六園は老舗然として、大人の世界に満ちていました。今のその店舗はありますが、お茶は販売していなくて、「しほがま」という和菓子と、茶器を売っています。塩竃にはもう一軒老舗がありましたが、かなり前に閉店しています。かつては、盛業を誇ったお茶屋さんは、いまは風前のともしび。このブログでも紹介しましたが、急須で淹れるお茶っぱを生産する農家は、じり貧状態のようです。

「鍼灸はじり貧だ」というのが、5月4日の成城セミナーのテーマでした。本当にじり貧なのかどうか。困るような状況にならないと気がつかないかも知れません。そもそも、未病という智慧があるのに、鍼灸界が未病にきづかないでいるのですから、お先がみえてますよね。
 
 『論語』雍也篇「人の生くるは、直なればなり。これを罔(な)くして生くるは、幸いにして免れしなり」。人生は、正直第一とする。正直が無くて生きているのは、運良く免れているだけだ。医者は正直・誠実たれ、と言ったのは後藤艮山、香川修庵、藤井秀孟ら。彼らの言を今一度、読み返すときなのかも知れない。


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