八木下勝之助先生が所持せる『重宝記』、鍼具については、このブログでも取り上げましたが、『漢方の臨床』の5月号・6月号に、報告を投じました。「めでみる漢方史料館(333・334)」です。カラー写真で紹介していますから、興味のあるかたはご覧になってください。
やはり、それらを直に見ることができたのは、あこがれている人に会えた、握手できた、お話ができた。というように僥倖でありました。なにしろ「直」です。
かつてこのブログで、柳宗悦が、国宝の喜左右衛門井戸を手に取ることができた、その時の感動を記した文章を紹介しましたが、まさに「直」よりまさる感動はなし。
たった一人が機縁になって、日本の鍼灸が変ったのですから、八木下先生は聖人でしょう。同じような意味で、古典を標準にすべく孤軍奮闘した丸山昌朗先生も聖人だと思います。どちらもお会いしたことがないけど、写真が残っているのが、唯一の救いです。
八木下先生の写真は、かつては白黒写真しかなく、不鮮明でしたが、この度の写真は精度がマシになり、先生の気配がよく表れています。むすめさん(静香さん)も写っているし、奥さんも写っているし、治療所も写っているし。丸山先生の写真は、『著作集』の写真が一番よいようで、鶯谷書院に立ててあります。これは、島田先生が選んだのではないでしょうか。
八木下先生のお墓は、かつて墓参した人から得た、千葉、モノレール、公園の近く、というような手がかりから、鈴木幸次郎くんが探しあて、写真を撮ってくれました。
八木下先生は、経絡治療の祖ですから、きちんと顕彰すべきではないでしょう。お墓参りは、宗教的行事ではなく、ご先祖に感謝をあらわすための行動ではないでしょうか。今の自分は、遺伝子だけでなく、生活環境もふくめて、すべてご先祖の遺産でありますから、感謝すべきではないでしょうか。
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