2016年4月17日日曜日

外台秘要方

 唐代の王燾の『外台秘要方』の校正のために、文字データの体裁を整え中です。元データは、小林健二さんが用意してくれたもので、おそら中国人が入力したものでしょう。不自然な改行や、句読があったり無かったり、それを校正しやすいように体裁を整える作業を、現在、鋭意進行中です。なにしろ、A4版で、360ページもあるので、なかなか進みません。空いている時間に、こつこつと作業しています。作業しているのは、ときに辛くおもいますが、無心なる時間でもあるので、無心の修行のつもりでもいます。そう考えると、こういう作業は悪くないのです。イヤだなあと思うと、とてもイヤなのですが、無心の修行と思うと、とてもありがたい機会と感謝しています。

 作業をしながら、文面を少しばかり読んでいるので、意外に勉強をしています。それにしても、王燾でも孫思邈でも、資料集めのしつこさは、驚異的です。その資料が在ったその当時の医学も、かなり広く深いことに思い知らされます。日本人は、その中の一部分を、さらに簡素にして、中国医学を利用していますが、元の姿をよく知っておくべきと思います。その資料として、『千金方』や『外台秘要方』などは、とてもよい史料でしょう。

 校正作業では、『千金方』と『千金翼方』は、データを頒布中です。隋の巣元方の『諸病源候論』も、校正作業は終わっていますが、修正入力をして、それから句読を付けて、体裁を整える作業が残っているので、これまた時間がかかる作業が残っています。しかし、作業しながら読んでいると、こういう大切な古典が一顧だにされないのは、不遜の極みだと思いました。漢文だけなので、読みたくないのは山々なのですが、古典を受容することに感情を入れてはならないと反省しました。

 元データは、中国の人が入力してくれたもので、精度は高いといえませんが、データ入力をしてみると、入力作業は相当たいへんな作業です。時間も体力も必要な作業を中国の人がしてくれ、それが日本で精度を高めていくと考えれば、日中共同の作業といえます。あるていどまとまったら、中国の人にお礼として進呈したいところです。

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