2015年4月6日月曜日

尺中弱し

 少林武術学校の生徒さんの尺中(強し)が標準だとすれば、たいがいの人は尺中弱しということになる。尺中が両腎に相当するとみなせば、補腎の治療で、大谿や復溜を使う機会がぐんと増えてくる。中国の張志傑先生は大谿をよく使い、福岡の馬場白光先生は復溜をよく使っていました(著書に書いてありました)。

 江戸時代の腹治家(腹部だけの治療をする流派。無分流など)で共通するのは、なんといっても気海穴の重視である。鍼治療としては、『難経』をルーツとするのだが、房中と関連するとなればさらにさかのぼり、馬王堆医書、張家山医書にたどり着く。

 前漢時代よりさらに前。戦国時代から現在まで、ぶれないでいるのは、腎を重視することかも知れない。医論、医説、多岐にわたり、華やかなりしも、核心になるところは、このあたりではないでしょうか。

 3月の北京研修では、北京の張志傑先生の治療を受けてきました。大谿を重んずる老中医です。治療を受けながら、大谿とはなんぞやと考えて、上記のような結論にいたりました。

 せっかくですから、腹治を専門にする人・腹治をメインにする人著書を紹介しておきます。今まで、読んだものだけですが。

  奥田意伯『鍼道秘訣集』、矢野白成『鍼治枢要』
  森共之『意中玄奥』、宮脇仲策『鍼学発もう訓』
  

 

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