2024年1月2日火曜日

治療上の三原則

 個人的な思わくでは、藤平健先生は漢方の先生である。しかし、その著書の『百味箪笥』(緑書房)は次のようにいい、漢方家ではなく、医者である。

私は、私なりの信条にしたがって、治療をすすめている。その信条というのは、現代医学と漢方との、いずれを用いた方が、この患者の病気を、より早く、より根治的に、そして安価に治すことができるかという、いわば私なりの治療上の三原則なのである。この原則にかなうならば、それが現代医学であろうと、漢方であろうと、いずれを用いてもかまわない。したがって私の毎日の治療は、手術もやれば、注射もやる。漢方だけ用いることもあれば、それらを併用することもある。

 つまり、藤平先生は、治療法にこだわらない医者なのである。それを「安価に治す」というのであるから、とてもスマートである。わたしも、おなじ信条を持って、これからも励みたい。

 暴利のような治療費を設定してイキがっているようでは、鍼灸界の雲行きはあやしい。謙虚さを失うと、みんなから嫌われるのは、自明のことなのに。

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