2022年5月14日土曜日

つまらぬ易者

 現在の校正作業は、万歳楼袖彦『灸治論』を対象としているが、著者は易学に通暁している人なので、灸法解説書というより、易学の立場から「定期的にお灸したほうがよい」という内容になっている。こんこんと説教している。

 つまらぬ易者にだまされているから易はあてにならないというが、易学を深く究めた専門家であれば、易学はどうもすごいらしい。

「命期(みょうご)の易」という分野があって、自分に関わる数字(生年月日など)を入力すると、死期がわかるというもので、沢庵宗彭も間違いないというし、谷野一栢も間違いないという。沢庵は、京都大徳寺の住職を務めた高僧で、そういう人がいうのだから間違いない。当時の大徳寺の住職は、天皇の許可によるものだから、よほどの人である。谷野一栢は、易学の最高学府である足利学校の、易学の正式後継者に名を連ねる人で、その人が間違いないというのだから、間違いないのである。

 いまは、命期の易というのは聞かないから、ひそかに行われているか、途絶えてしまったか。当時は、権力者やお金持ちにニーズがあったらしい。1回占えば、100万円くらいはもらったのでは? (杉山和一は、徳川綱吉の治療謝礼で、今の杉山神社の屋敷地をもらったというから)あるいは1000万円もらったかも。

 生まれ変わるとしたら、天下の秀才になって、易学を極め、命期の易を専門にしたい。

 


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