『老子』六十七章に、「我に三宝有り」、倹約、慈悲、あえて出る杭にならない(敢えて天下の先とならない)という生活信条が述べられている。今回は、倹約について。
世界で最も原油の消費が多いのは米国で、1903万バレル。だが、1164万バレルも産出している。二番目は中国で、1105万バレル、産出は424万バレル。三番目は日本で、430万バレル、産出はほぼゼロ。四番目はインドで、385万バレル、産出は90万バレル。
単純計算すると原油の自給率は、アメリカは61パーセント、中国は38パーセント、インドでも23パーセント。日本は0パーセント。
原油が出ないのだから仕方がないし、必要なのだからやむを得ないのだけど、少しは節約するなり、謙虚さが必要な気がする。水が少ない砂漠の国が、水を買って、浪費していることに近い。いつか、廻りの国々が日本の不遜さに気がつくときが来るかも知れない。気がついているかも知れない。
日本は、年間5500万トンの食糧を輸入しながら、1800万トンも捨てているのも、有名な話。1800万トンの半分以上の1000万トンが家庭から捨てられています。
原油といい、食糧といい、日本のわがままの現れです。お金にあかして、原油を買い、食糧を買い、食わないで捨てる。自給率の低さからみれば、はたらきもせずに、わがままし放題の、こまったガキのよう。
自分たちは、お・も・て・な・しとか言って、善人ぶっているけど、いつか嫌われ、誰にも見向きもされないだろね。きっと。 『老子』の九章に「富貴にして驕れば、自ら其の咎を遺す」と、古言にもある通り。
東洋の叡智を学ぶ、わたしたちは、老子の倹約の哲学を、少欲知足の智恵を、発信する義務があるのではないでしょうか。このまま、お金にあかして、横暴をふるまい、不遜な生き方をつづけるならば、盛者必衰のことわざどおり、近い将来、衰退するにちがいありません。
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