2015年2月1日日曜日

岩国(その2)

  小曽戸先生の『新版 漢方の歴史』の177ページに、
「独立性易(しょうえき・15961673)は、渡来中国人として江戸時代の医界に最も強い影響を与えた人物である。・・・・医術のほかに書画・詩文・篆刻にも長じ世に聞こえた。痘科に秀で、岩国で池田正直にその術を伝授。」
  とある。今回は、その舞台に行ったということになる。

 藩主の吉川広嘉が、病気治療のために、長崎から独立を呼び寄せて、その時に医学も広めたようである。広嘉は、この時、岩国城の前を流れる錦川の架橋に悩んでいたところ、独立にみせたもらった『西湖遊覧志』に、杭州の西湖に島づたいに架けられた6連のアーチ橋があることを知り、これをヒントに5連の錦帯橋ができたと言われている。意外にも、東洋医学と錦帯橋は、つながっていたのでした。

 錦帯橋の弓形の橋を拱橋(きょうきょう)というらしいが、錦帯橋は五連の拱橋で構成されていて、「五橋」とも言われている。同名のお酒もあり、これは県外には出していない、地元限定のお酒だそう。

 木造で、巻金(まきがね)、鎹(かすがい)で補強し、釘などの金属で固定した、世界に類例のない貴重な橋のようです。その巻金、釘は、薬師寺や法隆寺の釘などを作っている鍛冶屋さんにお願いし、木材はすべて国産だそうです。

 今回、かろうじて、材料がそろい、人物もそろい、技術もそろったが、次の架け替えのときには、いずれも揃わないだろうと言われている。

 鍼灸の、材料、人物、技術を考えれば、鍼灸を受け継ぐことは、まあ安泰というところか。ただし、古い技術は、だんだん廃れそうである。打膿灸、、切り艾、九鍼。しまいにゃ、パイオで間に合い、台座灸で済むようになったら、すごいことになるかもしれない。いいのか、悪いのか・・・

 ところで、『漢方の歴史』は、1700円+税のところ、1500円(送料別)でおわけします。また、近著の『鍼灸の歴史』は、1800円+税のところ、1600円(送料別)でおわけします。希望者は、miyakawakouya@gmail.com に連絡してください。

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