2012年11月22日木曜日

自然に、さらに、自然に


 黄帝曰.願聞自然奈何.岐伯曰.臨深決水.不用功力.而水可竭也.循掘決衝.而經可通也.此言氣之滑澀.血之清濁.行之逆順也.(『霊枢』逆順肥痩篇)
 
 先生は「自然」というけれども、どのように対処すれば良いのか、教えてください。
 
 お答えします。深い淵に望んで(この水を汲み出そうと思案しても)、その水流さえ通せば、何の工夫(功)、余計な力仕事(力)をせずとも、その水は無くなってしまう。
 
 同じように、凹みをならし(循屈)、突き出たのを除けば(決衝)、経脈は自然に通利する。
 
 凹みと突き出たのは、気の滑・渋であり、血の清・濁であり、流注の順・逆である。(これらを調えれば、経脈は自然に流れて、健康になる。)
 
 
 治療は、経脈のめぐりを助けているのでもなく、経脈を疎通させているのでもなく、経脈の自然を取り戻しているのだとは、目が覚める。小賢しい工夫や無用の努力は不要とは、さらに目が覚める。目が覚めて、さわやかな心持ちである。
 
 
 
 
 『素問』『霊枢』の中で一番の文章ではないでしょうか。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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