2024年4月4日木曜日

公冶長

 『論語』公冶長篇に、公冶長という若者が登場し、鳥の会話がわかる者らしい。鳥が「あそこに死者がいる」と話ししているのを聞いて、交番に死者がいることを届けたら、死者の発見者=殺人者と見なされて投獄されるが、孔子は冤罪だと看破し(この若者の素性を知っていたのでしょう)、ついには自分の娘を公冶長の嫁にした。

 患者さんに借りて『まいまいつぶろ』(幻冬舎)を読んでいたら、第九代将軍家重の小姓(身の周りの雑用を務める役)の大岡忠光も鳥の会話がわかると書いてあった。

「鳥は、人が思いもよらぬことを鳴き交わしております。もうすぐ風が強まる。雨雲が近づいている。危ないゆえ離れよと、互いに知らせ合うております」

 聴覚を使った診察に、聴診(意識的に聴こうとする)、聞診(意識的に聴こうとしないで、自然に聞こえてくる)がある(そもそも聴診と聞診は異なるもの)。このほかに、公冶長や忠光のような、超人的な診察をしている人がいるかも知れない。



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