2024年4月4日木曜日

「モナリザ」は高脂血症

  視覚を用いた診察を視診という。視覚を用いた診察に望診というのもある。少し離れて、ボーと見るので望診といいます。じっと視ようとしたら、みえてこないこともあるのです。

 昔は、『芸術新潮』を購読していました。なぜか、1999年9月号1冊だけ残っていて、その中に「ドクター・シノダの人物画診断」がという連載記事がありました。ダビンチの「モナリザ」、その左目と鼻すじの間にいぼのようなものがあり、それは高脂血症から生じた黄色腫であると言っています。絵画も、医学的にみることができる、という面白さがあります。それをまとめたのが篠田達明著『モナリザは高脂血症だった』(新潮新書)で、このたび買いました。

 レンブラントの「バテシバ」の女性モデルは、左腋下に窪みがあるので乳がん。豊臣秀吉は、多指症で、高台寺蔵「秀吉像」は、手を異常に小さく書かれているのは、目立たないようにしているから。「まいまいつぶろ」の9代将軍徳川家重の肖像もあり、アテトーゼ型の脳性麻痺だそう。

 など、合計29枚の肖像画の視診が記録されています。こういうことを中国医学からも展開したら、おもしろそう。

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