2022年9月8日木曜日

白洲正子『近江山河抄』

 どこかの陶工の談話で、陶器を造るには、十年間は土もみをしないと、一人前になれないといっていた。陶土をもむというのは、辛い仕事で、何百回もこねている間に、次第にきめが細かくなる。しまいには、気持ちがいいほどなめらかかになるが、それとともに心も静まってくる。自分はそういう風にして、自分の土を発見した。近頃は、どこの土でも自由に手に入るし、あらかじめ機械で練ってあるから、手間は省けるかわりに、自分の土を自分の手で発見する喜びがない・・・

 いい話が乗っていたので、引用しました。

 大した訓練を経ていない自分が、いい話だというのもおこがましいが、これに発奮して、これから訓練すれば良いのであるから、おこがましくもないのである。100歳まで30数年あるし。


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