2013年2月4日月曜日

常磐津古典曲演奏会

 昨日は、常磐津英寿さんの、常磐津古典曲演奏会に行きました。というと、文雅なゼントルマンのように思われますが、誘われて行ったもので、何も素養もありません。素養がないので、まるで異国の音楽を聴いているようなのですが、ジャズのセッションと思うとなかなかに魅力的な古典音楽で、楽しめました。

 古典とつけば、私たちの古典鍼灸と、なにか共通点があるのかと、その赤い糸を見つけようとしましたが、無いように感じました。一生の仕事として、血のにじむような努力をしているかといえば、私たちの古典への思いは、軽く、薄く、チープだなあと思いました。

 邦楽全体のことはわかりませんが、常磐津は斜陽のようです。歴史があって、すばらしい芸術としても、世の中に受け入れなければ、尻すぼみになる、ということかも知れません。私たちも、同じような道を歩みそうな気配です。いま必要なのは、受け継ぐことはもちろんのこと、外へアピールすることでしょう。そこから逆算していくと、アピールするためには、私たちの村言葉を現代日本語に直すことが急務ではないしょうか。たのしみになってきました。

 ところで、英寿さんは御年86歳、20年ほど前に人間国宝に指定されて、なお矍鑠として第一線で演奏活動している、あの凛としたお姿は憧憬ものでした。ステキな先輩を目に焼き付けてきまし
た。故岡部素道先生が、なんでも一流を見なきゃだめだ、とおっしゃっていた理由が、だんだんわかるようになってきました。齢を重ねることはよきものぞ。
 



0 件のコメント:

コメントを投稿