2012年10月9日火曜日

樸(あらき)の人


 昭和58年(1983)の4月に原塾が始まったが、その打ち合わせとして前年の暮れに、島田治療院に井上雅文先生が来られた。そのときが、『脈状診の研究』の著者、雲上の人との初見だと思う。翌年に原塾が始まって受講生になり、講義の帰りに先生と幾人かとスターリングシルバーという花屋兼飲み屋にたちより、いろいろな話をうかがった。
 記憶に残っているところでは、普段は入浴しないとおっしゃる。数日かに一回入るだけだと(定かではないが、一週間に一回)。蓬髪というのだろうか、頭髪はボウボウで、といっても悪臭、異臭がするわけでもない。
 かばんは、いつも紙袋でした。おされな鞄でなく、高級品の鞄でもなく。着るものも素っ気ない。
 頭脳に反して、無頓着で、人の目を気にしない。上下そろって様子がよく、わざとらしさがない、 ピカ一の樸(あらき)の人でした。
 

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