2016年9月12日月曜日

藤井秀孟

 藤井の小児鍼。

 院長は、藤井秀二博士で、『鍼法弁惑』の著者である藤井秀孟の七代目の当主である。本書は、1768年の刊行で、小著ながらたいへんに読み応えがある。

 初代は小児鍼はやっていない。員利鍼やら鋒鍼をつかう、強刺激派である。

 森秀太郎編の『鍼灸医学辞典』(医道の日本社刊)に「藤井式小児鍼」という項目があり、藤井式双管鍼というものを使うとある。

 双管は、『鍼法弁惑』にみえるもので、鍼管を2本そろえたものである。2本同時に弾入し、2本同時に刺すことができる。

 つまり、1穴に2本刺すのである。試してみてください。なかなかの代物です。「鍼は1本を刺す」というとらわれから解放される、喜びが生まれます。他にもいろいろな鍼法が埋もれていると思うと、先人に申し訳ないとおもう。

 『医道の日本』昭和35年12月号に起稿し、言う。

 「鍼灸医業は人格者によってのみ資格を与えられるべきものなり。」

 至言ですね。3年で免許を取れたとしても、現場に立たせるためには、2年ないしは3年、4年の研修期間をもうけ、その中で認められた者だけが臨床の現場に立てるようなシステムにしたいところです。



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