今は亡き井上雅文先生が、今は無き原塾で、霊枢講義を始めたとき、『医古的基礎』を材料にして、本格的な古典の読み方を講義してくれました。
古典を読むときに必要な工具書(辞典、索引など)を取り上げ、『説文解字』を読むなら、段玉裁の『説文解字注』を読まねばならないというようなことをおっしゃったので、そのとき購入したものが写真。30年以上も前のこと。表紙がばらけたので、テープで補強してあります。
『説文解字注』を買ったら、本格的な古典の勉強ができると思って、わくわくしました。なので、だいぶ、入れ込みました。基礎体力がついて古典研究が面白くなったのです。
大島正二『辞書の発明』(三省堂)に、42歳で始めて73歳で書き上げるまでの、涙ぐましい、痛々しい、『説文解字注』の道のりがかいてあり、感動しています。
工具書をきちんと読む、扱うことは、基礎体力のようなもので、基礎体力なくしては古典研究は成立しないと思っています。井上雅文先生は、潜在意識を、古典の勉強に方向づけた大恩人なのです。
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