2012年8月17日金曜日

自由な治療(2)

 このお盆休みはどこへも行かず、自宅に棲息していました。何年ぶりかで、自宅周辺を自転車でめぐってみました。お店の新旧交代も、ここ埼玉県川口市でもはげしいようです。川口市飯塚地区で薬局を営む患者さんも、飯塚地区もシャッター商店街になってます、とおっしゃってました。
 この間、たまっている文書を整理しました。秋の学会には「散鍼法」を発表しますが、大阪での講演の自由な治療に、とても近い鍼法です。経脈・経穴に固執しないで、邪気、血気、しこり、かたまりなどを取り除いて、病気を治療する方法です。
 成城の講演の配付資料も読み返しました。植木屋さんが「自然界にはマニュアルは絶対通用しません」と言ってたました。(自然界の)人も同じかと思います。ぼくにとってのマニュアルは、たとえば経脈・経穴です。最初から存在したわけでなく、経験を整理して作り上げた学問です。最初は、体験、経験、試行錯誤だったろうと思います。その時の治療は、まだ経脈・経穴が存在していませんから、経脈・経穴に固執しない散鍼法は、相当にふるい姿を受け継いでいるものと思われます。
 すでに学んだ経脈・経穴をいったん忘れて、何よりも自由に、自分の能力を頼みにして治療することが、自由な治療なのかな、と自宅棲息で考えました。最初からマニュアルにガチガチになるのは、いかにもつまらんです。
 



 

2012年8月13日月曜日

自由な治療

昨日は、大阪のオリエント出版社主催の講習会で、3時間ほど講演してきました。おおきなテーマは「自由な治療」で、既成の知識や概念に束縛されない、原初のすがたに基づいた鍼灸について話しました。既成の知識や概念とは、臨床実践を総括ともいえる、陰陽五行説とか、経穴学、処方学です。学校で勉強したことです。
 料理でいえば、料理のレシピがあれば、これに基づけばある程度の料理ができます。できばえの責任はレシピにあります。料理のセンスよりも、レシピに忠実であることが求められます。レシピがないときは、各人が各自の料理を作っていました。できばえの責任は作った人にあり、料理のセンスが求められます。
 そんなことを考えながら、各人が好きなよう治療することを、自由な治療と考えました。それが、原初の鍼灸のすがただったでしょう。
 今は、レシピを追って、原初のすがたを忘れ去っていると思います。自分でさわって、自分で判断して、自分で治療する、この単純なことを忘れ去っています。いちど、原点をたずねてみてはどうでしょうか。
 「自由」ということを「治療」と結びつけてみましたが、原稿もなく、配付資料もなかったので、この報告も、???な感じだと思います。細かなところは、出席者に直接聞いてください。