2022年2月23日水曜日

七里香


  七里香は、沈丁花の別名。金木犀の別名が、十里香。コロナだ、オリンピックだと言っている間にも、着々と。

 咲き出していますが、まだ香りは飛んでいないもよう。

 というか、マスクしていると、香りに鈍感になります。

 今日は、成城まで往診に行きましたが、まだ町の中に香りがただよっていませんでした。花木が多い所なので、町中の香りがたのしみな所でもあります。

 成城と川口、なにが違うかというと、整然さですね。人物だけでなく、お宅も、おにわも。そういう所に、気を配って、町全体が整然としているところが違うかと。

 ふだん、そういう所に気を配らずに、ただ自分自身だけに気を配っているのが、この辺り、川口だなあ。こういうことを、品が無い、というのだろうなあ、と歩きながら考察しました。

 

2022年2月19日土曜日

『菊と刀ー日本文化の型』

  米国のルース・ベネディクトさん(女性)の著作。1946年出版。邦訳は1948年。

 この本の存在を知ったのは、大学生のころ。出版から30年後に相当する(読んではいないが)。買ったのは、講談社学術文庫の2021年第44刷(第1冊は2005年)。16年で44冊を重ねているのは、とっても驚き。1年で3回刷り増ししているのです。売れて売れてしかたない。邦訳から、70年も経過しているのに。

 読んでみたら、難しい。難しいのが売れているというのが、なんとも悔しい。積ん読の人も多くいるだろうが、読破した人も多くいるだろう。

 驚きなのは、著者は、日本に来たことがない。周りの人から得られた情報から、一冊の本を書いたのである。日本を、あらいざらい、調べ上げたのである。驚きなのは、敵国を分析せよ、交戦中の米国の要請なのだという。米国が、この当時のままだとすると、「ロシアのウクライナ侵攻」については、かなり詳しく調べて、調べ尽くしているんだろうな。米国、あなおそろし。


2022年2月12日土曜日

たばこ買いに行った

  新聞を読んでいたら、死亡をあらわす、いろいろな表現について紹介していた。

 逝去、他界、永眠がよく使われる。

 冥土に行った、往生した、成仏した、という表現もある。

 いっかんの終わり、ご臨終、鬼籍に入る、という表現もある。

 旅立つ、お山に行く、たばこを買いに行った、という表現もある。

 そういえば、たばこを買いに行った、というのは子供のころ聞いたことがある。いま思えば、実に風流な言い回しで、あっさりとしていて、すばらしい。だけど、禁煙社会になってしまって、煙草を買いに行った、というのはもはや使えない。

 しかたないから、故人が好きなものを探しに行った、というのはどうだろうか。いつか、使ってみよう。

*兄弟子の金古さんは、「鍼を造るんで、材料を買いにいった」かな。



 

2022年2月10日木曜日

行った行った・来た来た

  中国の長沙市出身の中国女性が、日本で結婚し、仕事をしていて、近くに住んでいる。その女性が治療にきて、鍼先がひびくことを「いた、いた」といいます。てっきり「痛い、痛い」だと思って刺しなおしていると、「どうして抜く?」というので、「痛い」というからと答えると、「そじゃない」といって、いろいろ話をきくと、鍼先がひびくことを「いた、いた」(行った、行った)と言ったそうです。日本では「来た、来た」と言うというと、次からは「来た、来た」と言ってくれるようになりました。

 彼女は、「鍼」の立場になって、鍼先が到達したことを「行った」といい、

 日本では、自分の立場で、鍼先が自分に向かってやって「来た」、という。

『素問』刺腰痛篇に「足太陽の脈、人をして腰痛せしむ」と、足の太陽の経脈は腰痛を引き起こす、というが、これまた経脈の立場になっている表現である。

『霊枢』五邪篇に「邪、心に在らば、則ち心痛を病ましむ」とあるのも同じで、邪が心痛を引き起こすのである。

 おおむね、自分じゃない立場になって、記述しているのであるが、長沙の彼女と同じである。ということは、

 足の太陽の経脈が変動すれば腰痛を引き起こす。邪が心にあれば心痛を病む。

という読み方は、微妙にずれているかもしれない。



2022年2月5日土曜日

田山文隆氏逝去

  久留米市の田山文隆が1月末に逝去されたとのことです。80代後半だろうと思います。治療院は娘さんと旦那さんが受け継いでいます。三代目に当たります。温和な人で、お酒が好きで、研究熱心でした。

 気血研究会の50回大会に招待されて以来のお付き合いです。51回、52回と参加したあと、コロナ騒ぎで参加を中断していました。

 田山先生の晩年に当たりますが、お付き合いいただいたことは、貴重な体験になりました。

 三代目で思い出しましたが、埼玉県鍼灸師会の元会長の小峰先生の、そのお孫さんが春日部で鍼灸整骨院を経営しています。あちこちで、家業が続くことは、鍼灸業の信頼につながるのではないかと、期待しています。