2024年5月9日木曜日

お灸の学校

 5日・6日と、4時間ずつの講義を無事終了。普段、4時間をしゃべることはないので、声はガラガラ。普段と違う動きなので、体はへとへと。両日ともに、9時間以上寝ました。よく考えたら、68歳には、ちょっと無茶だったのかも知れません。

 それでも、今持っている知識と経験を出し切るには、4時間は必要だったと思います。何気なくやっている治療という行為を、ことばで伝えることがなんと難しいことか。

 同じことは、古典でもいえるのです。2000年前の治療を、漢字で伝えようとしたのが『内経』なのだと。いまごろ、こういうことに気づくのですから、遅咲きというか・・

2024年5月2日木曜日

奥田謙蔵先生

 奥田謙蔵先生(1884~1961)は、漢方の大家で、古典研究の第一人者。という程度の認識でしたが、弟子の藤平健先生の「嗚呼奥田先生」(『百味箪笥』)を読んで、一度、お会いしたかったなあ、と思った次第。

「先生のおそばにいると、何となく温かい。」「先生に接していると、兎に角温かいのである。」「先生は極端に欲が少なく、かつ万事に控目な御性格であった。」「先生はお怒りになるという事がなかったし、愚痴というものをこぼされるのを聞いた事もない。」

 こうしたコメント読んでみると、『論語』学而篇の「夫子、温良恭倹譲」という句を思い出す。孔子は、温(おだやか)・良(すなお)・恭(うやうやしく)・倹(つつましく)・譲(ひかえめ)だという。孔子と奥田先生はまるっきりおなじ。過去の人では、伊藤仁斎も近いと思われる。

 文字で読むとわかった気にはなるが、お会いたり、講義を聞いたりするのが何より。あとは、お書きになった文章を読むしかないか・・