2019年10月31日木曜日

もぐさん




 治療院の待合室に、お友達がふえました。もぐさ屋さんの「山正」のマスコット「もぐさん」です。椅子においてみました。横30センチ、縦40センチくらいです。今は真っ白ですが、ながらく置けば、けむり色がつくでしょう。

てんかん発作

てんかん悪化の仕組み解明 冷やすと発作が収束 群馬大大学院研究グループ発表 新薬開発に期待


 ヤフーニュース上での、上毛新聞社の記事の見出しです。要するに、頭を冷やすとてんかん発作が収まることが分かったということです。

 てんかんの治療例は2例ありますが、やはり頭が熱いのです。頭を冷ます治療と、それを引き起こしている元の治療をかねて行っています。1例は、足の冷え。もう1例は便秘。新薬を開発といっても、頭を目標にするモノでしょうが、どうなんでしょうねえ。

 頭を冷ますには、頭部に刺絡。頭が熱いのは、気逆性がありますので、大衝穴か、足三里穴。こんな風な治療で、うまくいってます。

2019年10月25日金曜日

昭栄丸

 母方の実家は、漁業を営んでいて、今から50年以上も前は、まぐろはえ縄漁をやっていました。その後は、のりの養殖、牡蛎の養殖に転じたようです。

 はえなわ漁の船は、叔父の昭、祖父の栄吉からとって、昭栄丸といいました。木造船なので、船体保護のため、ペンキを塗り、船底はコールタールを塗っていました。なので、ときどき、町中でペンキのにおい、コールタールのにおいがすると、安心するというか、なつかしいというか。公園に「ペンキ塗り立て」が無くなって久しく、さびしいかぎり。

 あと、エンジンの振動も、なつかしいというか。そういえば、30年ほど前に買った、ランクルプラドという車は、ディーゼルエンジンだったので、ハンドルに振動がきて、なんとも心地よかったのを思い出します。

 50年以上も前の体験が、いまでも心地よいのは、三つ子の魂百までを裏付けるのではないでしょうか。 

2019年10月22日火曜日

『初期仏教キーワード』

 買いました。『初期仏教キーワード』(サンガ)。153ページの半分が、心の解説です。なんとも、細かに、心を分類整理してあります。これを読むと、無心ということがどういう意味なのか、よく分かります。

 仏教が北伝して中国に渡り、845年に「会昌の廃仏」で中国の仏教は徹底的に弾圧され、残ったのが民間宗教の浄土教と、南方の山で活動していた南宗禅のみ。その南宗禅が日本にやってきて、日本禅宗となったのです。なので、初期仏教の無心は、紆余曲折して日本に到達したので、相当わかりにくくなっていたのだと思いました。

 ましてや、南宗禅は頓悟(突然悟る)を標榜してました。廃れた北宗禅は漸悟(次第に悟る)を唱えてました。丁寧に説明されて悟るのですから、初期仏教に近かったのかもしれません。

 要するに、日本禅宗は、以心伝心といって、言葉たらず。これは、中国禅宗が老荘思想の影響を強く受けていたからなのでしょう。いずれにしても、無心は「初期仏教」を読むと、よくわかります。まあ、わかったところで、無心の境地にはいけないのですが。

2019年10月15日火曜日

台風19号

東日本に被害をもたらした台風19号。

 写真は、治療院のドア越しにみた道路。冠水してさざ波がたっています。目の前の道路は、右手に行くとガード下になって、冠水しやすくなっていて、今回の台風で冠水しました。治療院には4段の階段がありますが、2段目までやってきました。ここで止まったからよいものの、雨雲が東寄りだったら、アウトだったでしょう。

 被災した方々は、岡山の洪水、千葉の停電など、人ごとだと思っていて、防災については何にも考えていなかったけど、こうして被災してしてみて初めて目が覚めた、といってました。

 日本国中、本気で防災を考えなければならない、そういうステージに入ったみたいですね。いままでのように、行政任せ、人任せでなくて、自分で生き残る、そういう覚悟が必要なのだとつくづく思いました。

 なにせ、1000年に1度を想定して作ったハザードマップ通りの災害が毎年おきているのですから。

 ひしひしと。しのびよるかな。あくまのて。

2019年10月12日土曜日

なんども無心

 ふたたび、鈴木大拙の『無心ということ』を、ぺらぺらめくっているのです。『素問』上古天真論での「無心」が、なんだか、いつでも気がかりなのです。
 
 今は、なんとなく、次のように色分けしています。

 (孔子の無心)
  無邪:こころがよこしまで無いこと。仁を尽くすこと。

 (老子の無心)
  無私:私意(個人的な思惑)が無いこと。

 (禅宗の無心)(荘子の無心に近いらしい)
  無心:無私だけでなく、分別(ものごとを比較)しないこと。

 (お釈迦さまの無心)
  無我:無私、無心だけでなく、存在しないものが存在するかのような思い込みもないこと。

 仏教は、北伝の大乗仏教→中国→日本という系譜と、南伝の上座部仏教→東南アジアという系譜に分かれていること。伝わっている間に、本質が薄れたようです。仏教では、出家が必須条件ですが、日本仏教をみるかぎり、出家しない宗派がある。また、戒律を守らなければならないのですが、日本仏教をみるかぎり、きちんと守っているようにはみえない。中村元先生は「日本の仏教は、シャーマニズムの域をほとんど出ていない」という。

 ということで、日本仏教から、お釈迦さまの無心は、かすんでみえない。唯一、出家して、戒律を守っている禅宗が、お釈迦さまの無心と近いのかもしれません。とはいっても、結婚して子供がいる禅家もいるし、托鉢をしているのは見たことないし、法事に呼ばれればお酒は飲むし。ちょっと怪しいです。

 問題は、『老子』にしろ、『荘子』にしろ、無心を文字上では理解できるのですが、実際の生活、社会生活の中での、生かし方がわからないのです。そこからすると、孔子の無心が一番現実的であり、老子がそれに続くのです。結局、『素問』上古天真論の無心は、老子で読むのが現実的なようです。

 
 

2019年10月9日水曜日

ご近所ばなし

 裏のOさん宅。2年前に入居なさった建て売り住宅ですが、このたび売りに出ていました。回覧板を持ってきてくださる方で、「引っ越します」の声かけもなく、空き家になっていました。ご近所といえば、「玄関の前で立ち話」というのがおきまりのシーンですが、この当たりではほとんどしません。顔を合わせれば、お辞儀する程度です。

 その隣はジムで、バーベルの上げ下げの音が聞こえていました。ご主人は数年前に亡くなりましたが、ネットで検索して知りました。毎日、我が家の前を、愛犬と散歩していて、日に日に細くなっていたので、気になっていました。

 近くに、チェーン店のクリーニング店がたくさんあるのですが、4~5年前まで、手作業のクリーニング店を利用していました。奥さんが病気とのことで廃業しましたが、ピシッとアイロン掛けしてあるのがすきでした。チェーン店の倍の値段がするのですが。チェーン店のは、油くさいし、押しが弱いからしわがすぐ伸びるし、いやだけど、もはや贅沢はいえない。というようなことから、ワイシャツはノーアイロンにしています。

 30数年も住んでいれば、いろいろ変りますねえ。
 

2019年10月5日土曜日

死のロード

 今年の夏~秋は、研究発表、講演がつづき、死のロードでした。

 8月18日 北里教員セミナー
 8月25日 久留米
 9月1日  博多
 9月8日  日本内経医学会講座
 9月15日 埼玉鍼灸師会
 9月16日 お灸の学校2
 9月23日 南京
 9月29日 金沢

 よくこなしました。まだ続きますが・・なんとなく、一段落。
 おなじ内容は無いので、頭脳もしんどかったでした。
 来年は、ほどほどにしないと・・
 






2019年10月3日木曜日

助役さん

 いま、助役さんから関西電力へのワイロでおおさわぎですが、助役さんで思い出すのは、弟弟子の森川くんのお父さんです。雲仙普賢岳の噴火のときに島原市の助役さんでした。

 森川くんの誘いで、長崎県鍼灸師会で講演したことがありました(刺絡と養生と2回)。その森川くんは2001年に40数歳の若さで他界しました。はじめて助役さんのお宅に伺ったのは、思い出せないのですが、何かの仕事の後で、足を伸ばしたときで、佐賀の草場さんと一緒でした。そのときは、たまたま位牌ができたということで、ご家族のかたとお線香をあげました。

 翌年は1周忌、その次は3回忌と、参加してきました。2000年に島田先生、2001年に弟弟子、相次いで他界したので、気持ちの整理のために、3回も島原に行ったのです。何がしんどいといって、逝かれるのがしんどい(それからすると、誹謗、中傷、悪い噂、非難、まあどうでもいいかな)。

 そのお父さんの自宅はとても質素でした。それなりの邸宅を予想していたので、その清廉さにおどろきました。おなじ助役さんでも、こんなに違うのだと思ったしだい。

 森川くんの17回忌は終わったでしょう。来年にでも、お線香あげに行こうと、助役さんのニュースで思ったのです。