2017年11月26日日曜日

丹塾古典部

 11月26日(第4日曜)は、丹塾古典部の日でした。次回から、第1日曜日に引越しますので、ご注意ください。日曜日で参加できる人はぜひご参加ください。

 今日は大掃除をして早めの忘年会をしました。

 次回の丹塾古典部は、12月3日日になります。
 午前10時~12時は、古典データベース作業をしています。現在取りかかっているのが、岡本一抱の『鍼灸阿是要穴』と矢野白成の『鍼治枢要』です。
 午後1時~4時の間に、江戸文献と『黄帝内経』をよんでいきます。参加費は1000円です。

 丹塾本部は、第1日曜日に講習会をやっていますので、興味ある方は、ひきつづきご参加ください。講習内容は、「丹塾」で検索してください。

 その次の丹塾古典部は、2月4日です。必ずしも毎月ではありませんので、ご注意ください。

 

2017年11月24日金曜日

腰ぎしぎし

 11月19日は、札幌で、視覚障害者を対象に講演してきました。千歳空港についたときは、晴れていて、気温も8度とかで、防寒対策をして行ったのですが、肩すかしでした。

 しかし、夕方から雪が降り出し、一晩にして20センチも積もりました。写真は、ホテルから、中島公園をとったものです。

 札幌は、建物の中は、暖房がほどよく行き届いていて、快適でした。しかし、快適な室内にいても、外気温(ゼロ度)に感応してか、腰がぎしぎし痛みました。いま、自宅にいますが、その腰はぎしぎししてません。何時も通りの腰重です。筋疲労でぎしぎし痛んだのではなく、外気温と感応したとしか考えられません。

 布団に入っていても、外気温が下がる朝方になると、神経痛が痛くなったり、咳が出始めたりするのは、外気温との感応だとおもいます。このことは、古典では「通天」というようです。春は春の体、夏は夏の体、秋は秋の体、冬は冬の体。昼は昼の体、夜は夜の体。体外の気に応じて、体内の気が感通するという意味で、「通天」というようです。

 こういう事を思い、古典に書き残した、彼らの感度におどろくばかりです。おどろくばかりでなく、こういう事を世に発信していかねばならないのだとつくづく思います。


お灸用のお線香

 昨日、誘われて、茨城県石岡市に在る、駒村清明堂というお線香製造元を見学してきました。

 材料はすべて杉。それを水車で衝いて粉にし、固めてお線香に造っただけのものです。余計な香りがしないこと、刺激的なけむりではないこと、火持ちがよいこと。とてもおすすめです。

 ぼくは、学校で使っている太い線香は、においがイヤだし、煙もイヤです。施灸の授業になれば、ぼくには地獄です。このお線香なら、大歓迎です。早速、衛生学園の実習の先生に、推薦するつもりです。使ってみなければわかりませんから。

 ひと箱、現地で買えば1000円。通販だと1200円だとか。ひと箱で、1日1本で1年くらいもつと言ってましたから、300本くらい入っていると思います。

 お線香も、お灸も、仲良く手を取り合って、生き延びていこうではありませんか。

 なお、茨城県伝統工芸品に指定されているようです。

2017年11月20日月曜日

心下痞硬を考える

 11月3日に外国の人を対象に、11月19日は視覚障害者を対象に、講演をしました。講演の通例として、心下痞硬の確認として、心窩部を各自で打診してもらうのですが、外国の人も、視覚障害者も、心下痞硬率は高くなく、特に視覚障害者は、ほどんど居ないと言っていい、そんな印象を持った。

 心下痞硬は、ストレスと、過飲食と、胃の不振とが、原因のように思っている。

 外国の人は、フランクな人(率直。飾らない。遠慮が無い)がおおくて、心理的なストレスが少ないと思うし(本当のところはわかりませんが)、胃腸が丈夫なようでもある。それゆえに、過飲食があっても、心下痞硬が少ないのだとおもう。

 視覚障害者は、胃腸が弱い日本人なのに、なぜに心下痞硬が少ないのかと、思案したのです。ストレスが少ないのか、過飲食しないのか。

 前夜、先方の視覚障害をもつ先生がた4人と食事をしましたが、用意された食事を淡々と食べていましたし、お酒を飲みますが適量を守っているようでした。自分で食べ物を探し求めることができないし、足元がふらつくぐらいのんだら危険なので、余計に食べない、余計に飲まないのだと思います。

 また、目は、他の食べ物をみたりして、食欲をあおっているのかも知れません。食欲をあおらないので、適時、適量をまもることができて、胃腸にも負担をかけず、食欲を抑制しなくてもよいので、心下痞硬が形成されないのではないでしょうか。

 適時、適量を守ることは、まさに『素問』上古天真論篇に「飲食に節有り」に合致しています。現時点では、心下痞硬を、こんな風に考えました。
 

2017年11月4日土曜日

ジャパンセミナー8

 本日は、ジャパンセミナーの8回目。首藤傳明先生の代役として、6回目から講師をしています。アメリカのバークレーの鍼灸学校AIMCが主宰する日本鍼灸を学ぶ為のセミナーです。世界各国から参加者があつまり、今年は28名の参加者がありました。

 今回は、腹診を使った治療を紹介してきました。準備資料も用意して万全なのですが、実際、受講生を前にすると、資料はそっちのけで、すべてアドリブになります。通訳の時間をのぞけば、実働3時間~4時間の講義でした。

 熱心な56個の目で見つめられると、なにしろベストを尽くさなければならない、と覚悟するのです。そのベストというのは、やしきたかじんのいう「原液」なのだとつくづく思います。素の自分を出すこと。それしかないです。格好つけている場合じゃないし、取り繕っているスキもないのです。

 前任者の首藤先生は、やはりすごい。

 素の自分を出すことができるという意味で、ジャパンセミナーは、面白いことは面白いのです。でも、しんどいのです。(終わってほっとしています。お正月みたいです。)



2017年11月2日木曜日

『諸病源候論』データ販売開始

『千金方』、『千金翼方』につづいて、『諸病源候論』のデータ販売の準備ができました。1枚800円です。ぜひともお買い求めください。申し込みは、鶯谷書院HPから。

『諸病源候論』は、隋の巣元方が編纂したもので、病気の成り立ち、分類、そして養生法(治療方法は記載されていない)が書かれています。たいへん勉強になる古典です。今までは、古典と言えば、『素問』『霊枢』『難経』ですませていましたが、現在は、隋唐の古典まで目を通さないと、なかなか深く理解できません。理想的には、影印本を、一ページずつめくってよめばいいのですが、まずはPC画面上で一通り目を通すという勉強の方法が、今風だと思います。

『素問』『霊枢』のデータができて、研究方法が大いに変わりました。同じ文字が、どのように使われているか、一瞬にして検索できるのですから、比較検討しやすくなりました。こうした検索は、江戸時代でも、昭和時代でもできなかった研究方法ですから、頭脳は劣っていても道具がカバーしてくれるので、一定の研究ができると思います。

 このブログを読んでいる人には、「古典は関係ないや」という人もいるかも知れません。関係ないものが、いつか役立つことがあります。そう思って、1枚買いませんか?