2015年10月29日木曜日

東京セミナー

 11月27日(火)は、大森の東京衛生学園で、外国人対象の「日本鍼灸セミナー」を担当してきました。9時から5時まで。フランクな先生方だったので、さほど疲れませんでした。気むずかしい先生だったら、へとへとだったでしょう。外国人はいいねえ、隔てがなくて。セミナーはやりやすかったですよ。

 普段おしえていることが、外人の先生方に通じるのか、理解してもらえるのか、そういう楽しみもありました。ところが大受けで、単純明快だったようです。実際に治療してみて、変化を確認してもらいましたが、隔てが無いせいか、めぐりが良いようで、変化も早いようです。日本人のようにめぐりが悪いのは、心の問題なのかなあと、何となくの手応えでした。

 その日のうちに、来年もお願いしますといわれて、日にちを決められました。これまた、遠慮が無いというか、隔てが無いですね。1年後のことだけど、次のネタはどうしようかと、今から案じておかねばなりません。

 男性は、大抵はのぼせてました。『素問』逆調論篇の「怒すれば気上る」という状況で、イライラするストレスを持っているのかも知れません。刺絡したら、ばっちり効きそう。速効で、驚くでしょうね。しかし、刺絡は、拒否されるでしょう。アメリカに刺絡を輸出できたら、全米を席巻できるでしょう。実に、惜しい。

 女性は、割と健康的な人が多いようでした。それでも、下寒上熱の人は、男女問わず多いようです。都内でも、半袖の欧米人が多いですが、あれは体温が高いだけではなく、下寒上熱の表れのようです。なんでも思いこみはいけないですね。つぶさに見なければ、一面的に見れば失礼です。

 いずれにしても、隔ての無さに、感心しました。

 参加者17名(アメリカ11名、スイス2名、インドネシア2名、イギリス1名、オストラリア1名)、そして主催者の田中さん。衛生学園の後藤園長が覗きにきました。

2015年10月25日日曜日

第43回日本伝統鍼灸学会学術大会(その2)

 10月24日、25日の両日に行われた学術大会は、盛況の中でおわりました。2日間缶詰になってましたから、会場を出て「これが娑婆~」とほっとしました。外の空気のありがたさを思いました。

 参加者は、768名。懇親会は151名。たくさんの人が参加してくれました。たくさんの学生も参加してくれ(345名)、伝統的鍼灸を受け継いでもらうための格好の機会になったかとおもいます。机の上の一万字よりも、五感で体験することが、何よりです。

 満員の大ホールで、しんと静まりかえり、講演者と聴衆が一体になった、あの空気は、近年にない感動でした。今までとは違う空気が充満していました。潮目がきたか。

 小曽戸先生も、長野先生も、本当に力がある人は、やっぱり違いますね。藤本先生の講演も良かったですね。オーラを感じました。ホワイエで雑談していたときは感じませんでしたが、ステージに上がるとスイッチが入るのでしょう。きっと。

 今回は、課題発表が新しい企画です。若手の発表を誘ったのですが、なかなかの力作発表で、期待を超えていました。6題の中から優秀賞を選びましたが、わが日本内経学会の小宮山君が受賞しました。表彰状をみやかわが授与しましたので、感慨深いものがありました。

 学生セミナーも若手に委ね、3教室に別れて、触診をテーマとしました。各教室あふれんばかりの熱気で、こちらも大成功でした。若手といっても中年組ですが、なかなか実力者揃いでした。

 懇親会は150名を超える参加者で、こちらも大盛況でした。一芸発表会では、飛び入り含め6題が参加しました。その中から表彰が行われ、みやかわの「大根おどり」が一等賞、日本内経医学会の「すずめおどり」が二等賞、やわら会の「太極拳」が三等賞でした。自分で企画して、受賞してしまって申し訳ないのですが、ありがたく頂戴いたしました。
 
 簡単でありますが、報告いたしました。ご参加いただいたみなさん、ありがとうございました。

 

2015年10月12日月曜日

第43回日本伝統鍼灸学会学術大会

 もうすぐ、伝統鍼灸学会の学術大会。会頭をおおせつかり、奮闘中です。実行委員は、東洋鍼灸専門学校の元教員で構成。同窓会的な雰囲気で、1年半、準備を練ってきました。

 江戸時代の鍼灸を知る、ことをテーマとしました。事前予約がよく集まり、おそらく過去最大規模の参加者になりそうです。相当にぎやかになると思われます。

 懇親会も、過去最大規模で、ぎゅうぎゅうです。一発芸企画が良かったのではないでしょうか。何かやらかしてくれそうな、そういう雰囲気を持ってます。主催者としても楽しみです。印象に残る懇親会になるのではないでしょうか。

 先日、授業で、和田東郭先生の「医則」を読んでみましたが、いま、和田先生の年令に近づいていますが、「医則」が書けるかと自問してみると、足元にも及ばないということに気がつきました。みなさんはどうか知りませんが、上から目線で、江戸時代を参考にしてやろうか、と思っていませんか? 江戸時代が横綱・大関とすると、私たちは幕下にも至っていないほどの、力の差があるように思います。江戸時代を参考にするなぞ、実際できません。

 昨日、講座で紹介した、中西深斎先生は、30年間、『傷寒論』を勉強して、『傷寒論弁正』を書いたのですが、その30年は、診療所を閉鎖して、もくもくと『傷寒論』を勉強したものであり、臨床の片手間の作品では無いのです。その30年を、気軽に、お知恵拝見というような魂胆では、読み切れないでしょう。

 『意仲玄奥』をまとめた森共之先生も、30年以上も『老子』を勉強し、『老子経国字解』をあらわした。文庫本で安直に読み飛ばしている者が近づけない、深さ、透明さがあります。なにしろ真剣なのです。目の前のハエを追っている場合じゃないですよ。

 江戸時代のひとつひとつが、なにしろ奥深い。横綱に立ち向かう気持ちがないと、江戸時代には入り込めないと、つくづく思います。43回が、日本鍼灸の、変化のきっかけになることをねがっています。

2015年10月7日水曜日

これからの講演

 10月24日(日曜)は、第43回日本伝統鍼灸学会学術大会。会頭講演で「陷下について」を発表。30分の短いものですが、参加者は700名を超えますから、いささか緊張します。『内経』には「陷下のツボはを視て探せ」とあるので、なんとか目で見えるように写真を撮って発表する予定です。

 10月27日(火曜)は、第6回日本鍼灸国際セミナー(バークレイ鍼・統合医療専門職大学院主催)で、朝9時から夕5時までの丸1日。首藤先生の代打です。任は重いので、気も重いのですが、今まで鶯谷書院で培ってきた成果が試されるときかなと前向きに考えています。学校から解放されて、鶯谷書院を立ち上げて、とても良かったと思います。 

 11月1日(日曜)は、大阪のオリエントさんの講演。6月に続いて、今年2回目。3月の北京での臨時のセミナーと合わせれば3回目。オリエントさんの講演は、常連さんが多いので、毎回新しい内容にしています。だんだんネタ切れになってきました。10時から4時。 

 11月29日(日曜)は、三景さん主催の講座で、昨年に続いて2回目。1時から4時。「恬淡虚無とお灸」にしようかと思っています。