2013年12月23日月曜日

前漢の経穴人形 発見!!



 京都の猪飼祥夫先生から、前漢の経穴人形が発見された、というニュースを送ってもらいました。
興味の有る方は、覗いてみてください。
 前漢の医学史料は乏しいので、すごい発見だと思います。


http://culture.people.com.cn/n/2013/1220/c172318-23904135.html

http://culture.people.com.cn/n/2013/1218/c172318-23879851.html?prolongation=1

http://photo.takungpao.com/society/2013-12/1362568_4.html

2013年12月18日水曜日

宮里優作 腰が抜ける

 12月8日、日本オープン。宮里優作は、ついに初優勝をつかむ。プロになって11年目の初優勝。その最終ホールの第1打・第2打はミスショット。第3打目のチップインパーで優勝を決める。
 なんと、その後、しゃがんで、立てなくなってしまった。「あれが腰が抜けるという感じなんでしょう。足がもう一歩も出なかった」という。そのあとも、膝に手をのせ、支え棒にして何とか立っている状態。

 さて、腰が抜けるとは、立っていられなくなるのは、何がそうさせているのだろうか。
「これは生理学的にいうと、突然に大脳の中に異常で強力な抑制が生じ、そのためにそれ以外のことが全然意識もできなくなり、全ての行動が抑えられます。意志が体の他の運動に及ばないため、行動ができないという現象なのです。医学的には、脊髄神経の中の腰の筋肉を動かす腰神経の機能が一時停止してしまう状態です。」

 『霊枢』本蔵篇に「志意は、精神を御し、魂魄を収め、 寒温を適え、喜怒を和する者なり」とある。この中で、日本語の「こころ」に相当するものは、志意、精神、魂魄、喜怒と、オンパレードである。宮里優作の大脳は、どれに相当するのだろう。

 志意は、『霊枢』本神篇に「物事を処理(任)するのが心で、心が記憶しているのが意で、意が存続するのが志だ」とある。これからすれば、経験した考え、体験した知識に基づく判断を志意というのだと思われる。

 
 喜怒は、感情で良い。

 魂魄は、魂消た(たまげた)、キモをつぶした、失神、人事不省、というものに相当するだろう。意識を失うような状態を生み出す。

 精神は、気力とか、気が抜けたとかいうものか。

 『霊枢』本蔵篇の意味は、考えや知識は、精神を制御し、魂魄をコントロールし、寒温に対処し、感情を和らげる、ものである。

 つまり、宮里優作は、優勝の経験が無かったので、精神を制御できなくて、気が抜けてしまったといえるのではないでしょうか。

 すくなくとも、本蔵篇では、考えや知識、精神(気力)、魂魄(たましい)、感情、の4種類を「こころ」と見なしていたということになる。精神(気力)、魂魄(たましい)、感情をコントロールするのが、考えや知識だというのは、立場とすれば、荘子の万物斉同的であるなあ。