2021年12月23日木曜日

万歳楼袖彦著『灸治論』(九州大学図書館蔵)

「若きときの学問は、煙草のけふり((煙))となれる人多し。晩学ならでは身に(そま)ぬものなり。昔より晩学して名誉となりし人、王羲之をはじめ、和漢あげて(かぞ)えがたし。今、世間の人多くは、諸術諸芸とも、口には(その)理屈を(とけ)ども、(その)学ぶ処は中途(なかば)にて、俗にいう幽霊なり。幽霊は腰より下はなしといふ。何事も腰なく踏張(ふんばり)りなきを幽霊仲間といひ、常に格別の抜け出たる芸術もなく・・・」

 現在読んでいるもので、感銘を受けたところ。

 儒教を語り、道家を語るのは、ちょっと調べればできるが、語る前には、『論語』も『老子』もきっちり読んでおきたい。東洋医学を語るにも、『素問』『霊枢』をきっちり読んでおきたい。

「晩学して、身に沁み込ませるべし」

じゃないと、芸術・技術が抜け出ない。滲みる言葉でした。


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