山脇東門の『東門随筆』に。
「南都の天満といふ所に大成鳥屋あり。此主人鳥の病を療るに、毫鍼をさし、灸もすへて治する也。甚上手成故、大坂あたりの鳥屋抔より大切の鳥の療治を頼よし。先年南都へ行たる時、右の鳥屋にて聞たり。是も牛馬の鍼を受るに異ならず。療道の広事、此の如きなり。」
奈良の天満という地区に、大きな鳥屋があり、この主人は鍼と灸を使って、鳥の治療をするという。とても上手なので、大阪などの鳥屋が大切な鳥の治療を依頼しているとのこと。この話はその鳥屋で聞いた話。牛や馬の治療もおなじだと。(鍼・灸)治療はこのように広く応用できるのである。
考えさせられる一文です。飼い主から状況を聞くだけで、ご本人からの情報は無い。そうすると触診だけで治療方針を立てるのだから、鍼灸の本源はここに有るのでしょう。
ただし、ヒトの治療では、患者さんの心と、治療家の心が、絡んでくるので治療効果が下がりそうです。ここが、クスリと違うところです。
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