北里研究所医史学研究室(のち研究部)の客員研究員になって、はじめての仕事が、月舟寿桂が『史記』に書き込んだ注釈を翻字することでした(扁鵲倉公列伝のみ)。調べていく内に、月舟寿桂は、近江の永源寺における桃源瑞仙の『史記』講義を受けていることがわかり、いつかは永源寺に行きたいと長らく思っていました。7~8年前に行くことができました。
開山は寂室元光で、中国にわたり中峰明本に学んだ僧侶です。中峰にまなんだ僧侶達が日本で開いた寺院は、いずれも紅葉の名所で有名です。おそらく中国から種を持ち帰って、留学先の雰囲気を再現しようとしたのでしょう。
永源寺も、紅葉の時期は、観光客が押し寄せるといいます。まさに、今頃でしょう。僕が行ったのは、そんな時期ではないので、ひっそりとしていました。それでも、月舟寿桂と同じ場所にいるとおもって、感慨ひとしおでした。
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