以前買った彭丹著『中国と茶碗と日本と』(小学館)を、何気に手をとり、「はじめに」に感動しました。
日本に来て初めて迎えたお正月、私は朱塗りの盃で屠蘇酒を飲んだ。中国では千年も昔の詩文でしか知ることのできなかった屠蘇というものを、海を渡って今日の日本で飲むことができた感動は、今でも忘れない。
褐色の酒の入った盃を手に取り、これを日本に伝えた遣唐使への感謝の念を覚えながら、私は生まれて初めての屠蘇酒を飲んだ。幽かな漢方の香りがふわっと口中に広がっていった。
もはや消えつつあるお屠蘇が、こうして感動してもらうと、お屠蘇を残してきた先人に、感謝。実は、この正月、お屠蘇を飲んでいます。お酒とみりんの中に、屠蘇散を浸すだけででき、下戸のボクにちょうど良い液体なのです。それをちびちび飲みながら、彭丹さんの「はじめに」をくりかえしよんでいます。
わたしたちの鍼灸も同じだろうと思います。自分の都合ではなく、好き嫌いしないで、連綿している技術をつなげて行くのも、使命かなとも思います。脈診もそのひとつで、調べてみると、診断に脈診し、治療効果の確認にも脈診すのが、むかしながらのやり方のようです。お灸もしかり。
ことしも、お灸の学校3、お灸の学校4があります。奮ってご参加を。
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