孔子は、70歳の心境を「心の欲するところに従い、矩をこえず」と言った。漢文だと「七十而従心所欲、不踰矩」で、ここから70歳の雅称を「従心」という。「従心」の背景には、三つの大きな事件があった。
69歳:56歳から始めた諸国行脚(道徳による政治の実現を目的とした)に終止符を打って、魯に帰った。
70歳:弟子の顔回が死亡した(32歳)。
71歳:息子の鯉が死亡した(50歳)。
道徳による政治の実現を「頑張った」~「頑張らなくなった」
道徳による政治の実現したいという「執着があった」~「執着がなくなった」
こういう状況から「心の欲するところに従う」という心境になったものと思われる。
発言の状況がわかると、その発言の意味合いがよくわかるが、状況がわからないと、表向きはわかっても、ぜんぜんわからない。(とつくづく思う。)
0 件のコメント:
コメントを投稿