30代前半、湯島聖堂で、大東文化大学を退官なさった原田種成(たねしげ)教授が、段玉裁『説文解字注』を講義なさっているのを知って、1年ほど受講しました。
専門家の本格的な講義を受けたことがなかったので、たのしみでした。受けたのは、初めのほうの草部で、1年ほど経ってもまだ草部でした。最初から、飛ばさないで、きちんと読み進むのが、中国学の伝統的な読み方だということでした。初学の者でしたから、受講して有益だったかどうかわかりませんが、アカデミーに接したという喜びが収穫でした。
講座の時に、出版物の、文字の間違い・使い方の誤りなどを指摘すると、大抵の著者からは返事はこないが、藤沢周平さんだけは律儀にお礼を書いてくる、誠実な人だ、というような話をして、出版されたばかりの『玄鳥』を推薦していました。それで、買ったのですが、読んでいません。
これによって、1991年(平成3年)35歳の時に受講していたのだとわかりました。
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