11月1日のオリエントセミナーは、阻滯の一つである硬結の話をしました。硬結は、本来は無いもので、発生すると体が不調になります。その硬結は、皮下にあり、筋肉にあり、関節にあります.
どのように探るか、その方法を話してきました。参考にした文献は、宮脇仲策『鍼学発蒙訓』と奥田意伯編『鍼道秘訣集』でした。それらの硬結からどのような病気が生まれるか。よくよく説いてあります。つまり、硬結を解除することを治療とし、その結果、硬結から生まれた病気が治るのであります。硬結がなぜ生じたか、両書はそれについては触れていませんので、こんごの課題でもあります。
その後、丹波篠山城、竹田城、但馬城の、兵庫県の3城をめぐってきました。先月の岡城とあわせて4城。ふりかえってみれば、石垣の石の積み方(野面積み)が共通していました。四角の石をきれいに積むのとは違って、丸く、大小さまざまの石を積み上げる方法です。野面積みの野性味を帯びた力強さに圧倒されてきました。素朴で、しかも強靱で、さらに美を備えている。野面積みに惹かれて4城めぐりしたのかも知れません。
野面積みを行う石工を穴太衆(あのうしゅう)というのだが、現在も十四代が後を継いで、各地の石垣を修理しているらしい。早く知っておれば、伝統の学術大会で講演してもらったのに。かえすがえすも残念。
孔子先生も、文質彬彬と言っているように、きれいに整った鍼灸システムだけでなく、素朴な鍼灸も確立されなければならないでしょう。野面なる鍼灸を。
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