2015年10月12日月曜日

第43回日本伝統鍼灸学会学術大会

 もうすぐ、伝統鍼灸学会の学術大会。会頭をおおせつかり、奮闘中です。実行委員は、東洋鍼灸専門学校の元教員で構成。同窓会的な雰囲気で、1年半、準備を練ってきました。

 江戸時代の鍼灸を知る、ことをテーマとしました。事前予約がよく集まり、おそらく過去最大規模の参加者になりそうです。相当にぎやかになると思われます。

 懇親会も、過去最大規模で、ぎゅうぎゅうです。一発芸企画が良かったのではないでしょうか。何かやらかしてくれそうな、そういう雰囲気を持ってます。主催者としても楽しみです。印象に残る懇親会になるのではないでしょうか。

 先日、授業で、和田東郭先生の「医則」を読んでみましたが、いま、和田先生の年令に近づいていますが、「医則」が書けるかと自問してみると、足元にも及ばないということに気がつきました。みなさんはどうか知りませんが、上から目線で、江戸時代を参考にしてやろうか、と思っていませんか? 江戸時代が横綱・大関とすると、私たちは幕下にも至っていないほどの、力の差があるように思います。江戸時代を参考にするなぞ、実際できません。

 昨日、講座で紹介した、中西深斎先生は、30年間、『傷寒論』を勉強して、『傷寒論弁正』を書いたのですが、その30年は、診療所を閉鎖して、もくもくと『傷寒論』を勉強したものであり、臨床の片手間の作品では無いのです。その30年を、気軽に、お知恵拝見というような魂胆では、読み切れないでしょう。

 『意仲玄奥』をまとめた森共之先生も、30年以上も『老子』を勉強し、『老子経国字解』をあらわした。文庫本で安直に読み飛ばしている者が近づけない、深さ、透明さがあります。なにしろ真剣なのです。目の前のハエを追っている場合じゃないですよ。

 江戸時代のひとつひとつが、なにしろ奥深い。横綱に立ち向かう気持ちがないと、江戸時代には入り込めないと、つくづく思います。43回が、日本鍼灸の、変化のきっかけになることをねがっています。

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