加地伸行『儒教とは』によれば、葬式では、仏教はご本尊に手をあわせて拝むが、儒教では死体に手を合わせて拝む、という。まれに、お坊さんを拝む人がいるが、それは間違いだそう。
今日、前首相が、前々首相が暗殺された現場に行って、手を合わせて拝んでいた。はて、何を拝んでいたのだろう。事故現場では、花を手向けて、その花の向こうに手を合わせて拝んでいる。はて、何を拝んでいるのだろう。その現場にいるとおもわれる霊魂に向けてなのだろう。
東日本大震災では、海に向かって手を合わせて拝んでいる人もいた。海のかなたにいるだろう霊魂に向けてなのだろう。
手を合わせて「いただきます」という相手は、食べる機会を与えてくれた「天」なのかもしれない。
これらが日本人の変なクセでなければ、日本には、手を合わせて拝む仏教マナーがあり、儒教のマナーがあり、日本独自の霊魂や天神などを拝むマナーが存在していることになる。
霊魂に対しては鎮魂の精神が込められていて、天神に対しては崇敬の精神がこめられている。こしてみると、なんだか、複雑。
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